「脱力打法」に取り組む矢野

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 広島・矢野雅哉内野手(25)が秋季練習休日の27日、“脱力打法”を習得して打力向上を目指すことに意気込んだ。今季、遊撃のレギュラーに定着した若鯉は「変な力を入れず、強い打球を打つことを課題にしている」と今秋のテーマを明かした。

 4年目の今季は自己最多137試合に出場して初の規定打席に到達。112安打を放って打率・260と試合に出続けながら成長の跡を示した。

 これまでと打ち方は変えず、バットのヘッドを走らせる瞬間だけ力を入れる形を理想とする。余分な力が入ると「ミスショットになってファウルになっていることが分かったし、捉えても内野の間を抜けなかった打球も多かった」というシーズン中の経験も踏まえ、習熟度を高めていく。

 9月22日・中日戦では涌井に対し、1打席で22球投げさせ、プロ野球新記録を更新した。打席での驚異的な粘りは真骨頂でもある。ただ、まだまだ打撃は良化途上で「もっともっと上げるようにしないといけない」。26日の秋季練習では全体でのロングティー後、林と交互に居残り特打も敢行して自身の感覚と対話を重ねた。

 飛躍の1年を振り返り「全てにおいて、いい経験をさせてもらった」と実感を込めた上で飽くなき向上心を燃やす。「その経験を来年につなげないといけない。あとは自分次第です」。圧倒的な守備力に加え、打力がさらに向上すれば鬼に金棒。尽きることのない向上心を胸に、バットを振り込む。