4回、空振り三振に倒れる筒香(撮影・西岡正)

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 「SMBC日本シリーズ2024、DeNA3−6ソフトバンク」(27日、横浜スタジアム)

 本拠地で悪夢の連敗。暗い気持ちを振り払うようにDeNA・三浦大輔監督はプラスの材料を集めた。五回以降は無安打リレー、今季ビジターでは貯金5…。「全てをプラスに。木曜日まで全員で戦って、横浜に戻ってこられるようにやっていきます」。敵地で勢いを取り戻したい。

 不測の事態だった。第1戦で自打球を左足甲に当てたオースティンが打撲のため、試合前練習から別メニュー。室内練習場で可能性を探ったが、指揮官が「今日の反応を見ていても厳しい」とベンチから外すことを決断した。練習中に筒香には「4番で行くぞ」。勝負強い打撃で何度もチームを救ってきた主砲に緊急事態を託した。

 それでもソフトバンクの強力な投手陣の前に、なかなか仕事をさせてもらえない。四回1死一塁で空振り三振、七回2死二、三塁では遊ゴロに倒れるなど、4打数無安打と結果を残せなかった。3戦目以降のオースティンは状態を確認しながら、DHでの出場機会も含めて模索していく方針。今後は9月に右尺骨を骨折した山本も合流予定で、全員で一丸となる。

 0勝2敗で向かう敵地。それでも、うつむいている時間はない。CSファーストSから「ミスは忘れろ」と選手らに説いてきた。「一日空くということで、いい切り替えの日にしたいと思います」。横浜に必ず帰る−。敵地で巻き起こした下克上と同様、強い思いは大きな力を必ず生み出す。