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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、都内で開催され、中日が4球団競合の末、ドラフト1位で関大・金丸夢斗投手(21)の交渉権を得た。今年の大学No・1左腕は、1年目から「10勝&新人王」を目標に掲げた。同学年で高校時代から刺激を受けていた高橋宏と左右二枚看板を形成し、チームの勝利に貢献する構えだ。

 金丸は抽選の行方を、引き締まった表情で見守った。中日、DeNA、阪神、巨人の4球団競合の末、中日が交渉権を獲得。井上新監督が左手でド派手なガッツポーズをつくると一瞬、ハッとした表情を見せたが、すぐ口を真一文字に結んだ。マウンド上と同じように、表情を大きく変えることはなかった。

 「自分はポーカーフェースなので。そこは貫こうと思って表情は変えませんでした」

 10勝、そして新人王。1年目から大きな目標を掲げた。「2桁勝利できるように。それが自然と新人王だったり、そういうところにもつながると思う」。関西学生リーグ通算20勝3敗、防御率0・83。239回2/3で三振は312個も奪った。加えて、昨秋から72イニング連続自責0。輝かしい実績を持つ左腕は、今オフにポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す小笠原の穴を埋める活躍にも期待がかかる。

 「即戦力として取ってもらっていると思う。しっかり1年目から活躍できるように、今から準備したい」

 同学年の高橋宏との共闘も心待ちにする。右腕の存在は、高校時代から意識していた。「当時からいい刺激をもらっていた。“いつか同じ舞台に”と思っていた」。大学4年間を経て、最速154キロの直球、得意のスプリット、スライダーといった変化球に磨きをかけた。「WBCの経験だったり、いろんなことを聞きたい。これから一緒にできるのは、本当にうれしい」。夢斗と宏斗。左右の二枚看板がチームを背負って共闘し、悲願のリーグ優勝へ導く。 (松本 航亮)

 ◇金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年(平15)2月1日生まれ、神戸市出身の21歳。広陵小1年から広陵少年野球部で野球を始めて投手や一塁手。広陵中では軟式野球部に所属した。神港橘では1年秋から背番号10でベンチ入りし、2年秋から背番号1。関大では1年秋にリーグ戦初登板。今年3月には欧州代表との強化試合で侍ジャパンのトップチームに初招集された。50メートル6秒5、遠投110メートル。1メートル77、77キロ。左投げ左打ち。

 ○…4球団競合の末に、抽選で関大・金丸の交渉権を獲得した中日・井上新監督は左手でド派手なガッツポーズを繰り出し、「取り乱しましたね、脱臼しました」と照れ笑い。大学No.1左腕を引き当て、「(今月上旬に)下から2番目のくじを引く夢を見た。お告げをもらった」と独特の表現で振り返り、「どこの球団にも評価される選手。うちのチーム事情にも合致する」と飛躍を期待した。