ボディフィットネスで優勝した佐々木絢美【写真:中戸川知世】

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各コンテストで輝く選手たちを紹介「ボディコンテスト名鑑#73 佐々木絢美」

 日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)が主催し、階級無差別で真のフィットネス日本一を決める「JBBFフィットネス・グランド・チャンピオンシップス」が6日、大阪・国際障害者交流センターで行われた。ボディフィットネスで優勝した38歳・佐々木絢美はこのカテゴリーに転向1年目でいきなり日本一に。もともと、別団体のビキニフィットネスに出場していたが、「ジュラシック」の愛称で知られるボディビルダー・木澤大祐に2022年から師事し、JBBFのボディフィットネスに挑戦。師匠が現役最後として出場したボディビル選手権の前に同じステージで戴冠を果たし、涙を浮かべた。

 ◇ ◇ ◇

――ボディフィットネス転向1年目でいきなり日本一です。

「泣きそうです。木澤さんと同じ景色を見られただけで、それ以外、何もないです。優勝はもちろんうれしいですが、私の中では同じ景色だけを見たくて今年やってきたので、もう思い残すことがないくらいです。この後の(午後に行われるボディビル選手権の)木澤さんにバトンを繋げたかなと思います」

――木澤選手とはどんなやりとりがあったのか。

「『リレーのバトンを繋ぎます』と朝LINEで伝えて、先ほど一瞬、表彰式の前に来てくださって、握手して泣きそうになりました。最後、木澤さんに良いフィナーレを送ってほしいという一心。私の優勝があれば、木澤さんも気持ち良く出てもらえる。それが叶ったのでうれしいです」

――木澤選手に教わったことは。

「体を変えるところは木澤がいなかったら変わっていなかった。優勝はもちろん、JBBFに団体を移動することもそもそもなかった。木澤さんがあっての私。ステージに立つにしても、恩返ししたいというのが一番でした」

――出会う前と出会った後で変わったこと。

「実際のトレーニングもそうですし、師匠の想いを受け継ぎたい。弟子として、ただ同じトレーニングをすることじゃなく、師匠のトレーニングに対しての想い、アンチドーピングに対しての想いなど、そういったところをすべて受け継いで(トレーナーとして)皆さんに伝えていければいいなと思います」

――ボディフィットネスという競技の魅力。

「筋肉量は以前やっていたビキニとは違ってくる。私が思うように、好きにトレーニングができる。トレーニングをしていて大会に出られる楽しみがあり、また違った魅力がある。良い意味で女性らしい筋肉美と絞りを兼ね備えないといけない。私にはすごく向ていているカテゴリーです」

――今後に向けて。

「世界選手権に出たい。来年以降は何も決めておらず、木澤さんとお話をして方向性を決めていきたい。トレーニングが好きでトレーニングをしているのが最優先なので。その延長線上に大会がある。まずはオフで木澤さんといつもの全力のトレーニングをやりたいです(笑)」

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 その後に行われたボディビル日本選手権で木澤は見事に優勝。競技生活30年の集大成をドラマチックに飾り、佐々木との師弟アベック日本一となった。

(THE ANSWER編集部)