この記事をまとめると

■ETC車載器の装着方法を間違うとETCレーンでバーが開かない場合がある

■アンテナの装着位置や角度は細かく指定されている

■熱線反射ガラスが装着されたクルマはETCの電波を反射してしまうケースもある

ETC車載器をつける際の注意点

 いまや高速道路を利用する際には必須アイテムといっても過言ではないETC。煩わしい通行券の受け取りや料金支払いをすることなく料金ゲートを通過することができるのはもちろんのこと、各種割引を受けることができたり、スマートインターチェンジが利用できて利便性が向上したりとそのメリットは計り知れない。

 そんなETCを利用するために必要なETC車載器は、最近のモデルでは最初から車両に標準装備となっているモデルも増えてきたが、そうでないモデルではディーラーオプションのETCを装着したり、カー用品店などで市販のETC車載器を購入して装着する必要がある。

 このとき、装着方法を間違ってしまうとETCレーンでバーが開かない、という事態に陥ってしまう可能性があるのだ。

 ディーラーオプション品であれば説明書どおりに装着すれば問題が発生することはないが、問題なのは汎用の社外品。電源などの配線は問題なく装着できたとしても、ETCゲートと通信するためのアンテナを装着する場所によっては正常に通信ができない可能性があるのだ。

 実際にETC車載器を自分で装着した経験がある人であればご存じかもしれないが、じつはETCのアンテナは装着する位置や角度が細かく指定されているのだ。

 実際のところはこの範囲を厳密に守らなくても正常に使用できるケースが多いのだが、メーカーの指示を守るに越したことはないだろう。

ガラスの素材で通信が不安定になる場合も

 それ以外で意外と見落としがちなのが、熱線反射ガラスをフロントガラスに採用している車種への装着だ。

 この熱線反射ガラスはガラスに金属膜をコートして車室内への日射量を減らし、車内を快適に保つという機能性ガラスなのだが、この金属膜が熱線だけでなくETCの電波も反射してしまうのである。

 ETCが普及してからリリースされた熱線反射ガラスはセンサーバイザー付近(ルームミラーが付く周辺)のみ金属膜コートを省いてETCの電波を受信できるようになっているものがほとんどだが、1990年代前半に登場した高級車などは全面が熱線反射ガラスとなっているものも存在している(初代セルシオなど)ので注意が必要なのだ。

 また、それ以外ではETCカード自体の期限切れや劣化でもETCバーが開かなくなってしまう。とくにETCカードはそこまで熱に強いものではないため、真夏に常に車載器に挿しっぱなしだったりするとICチップが破損してしまう可能性もあるため、ある日突然バーが開かなくなるリスクもあるので注意したい。