「長崎県民を敵に回した」『ジョブチューン』 超有名シェフの“皿うどん酷評”に視聴者から違和感噴出、リンガーハット社長も反論

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9月28日放送の『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)で、長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」が特集された。だが、ある人気メニューをめぐって、唯一不合格を出した超一流中華料理人のジャッジが物議を醸している。

この日は「従業員イチオシメニューTOP10」として、看板メニュー「長崎ちゃんぽん」をはじめとする10品が登場。リンガーハットジャパンの福原社長も出演し、7名の超一流中華料理人が合否をジャッジする様子を見守った。

そんななか、スタジオも騒然としたのは、第3位にランクインした「野菜たっぷり皿うどん」のジャッジだった。

長崎を代表するソウルフードとして知られる「皿うどん」。リンガーハットではパリパリの極細麺に野菜あんをたっぷりかけた「長崎皿うどん」が、「長崎ちゃんぽん」と双璧をなす看板メニューとして愛されている。

番組では、この「長崎皿うどん」が3位にランクイン。ところが料理人7人のうち、1人が不合格のジャッジを下す結果に。さらに視聴者の関心を集めたのは、その理由だった。

昨年から野菜が2倍に増量された同メニューは、パリパリとした極細のフライ麺が特徴。麺を約1ミリにカットし、蒸した後にきつね色になるまで揚げることで歯切れの良い食感を出しているという。さらに、麺を作る機械も自社製というこだわりだ。試食開始前には、福原社長が「次に出る商品は(不合格とは)言えないと思います」と自信をのぞかせていた。

■「一つの麺料理としてどうなのかな」不合格を下した料理人から異論が……

だが、異論を呈した料理人が――。それは、2年連続ミシュラン一つ星の実績を持ち、“麺のスペシャリスト”と紹介された「はしづめ」グループの山田英明料理長だ。

第4位の「焼き太めん皿うどん」を試食した際には合格を下し、「こんなに麺って美味しいんですね」と感嘆していた山田氏。しかし「長崎皿うどん」には、違和感を抱いたようだ。

不合格を下した理由を問われ、「自分も悩んだんですが、やっぱり真剣に向き合うべきだと思ったので、(不合格)を出さしてもらいました」とコメント。その上で試食した「長崎皿うどん」について、こう指摘したのだった。

「やっぱり1つの麺料理と考えたときに、あんと麺は別ではなく、1つのものっていうイメージなんです。ただこれは麺を取って、あんを取って、自分で調節して食べなければいけないっていうことが、まずあるかなと思います」

さらにパリパリの麺があんかけによって、硬さが変化することも納得できなかったようだ。

「麺は極細で揚げてあるので、食べながら状態も変わっていく。食べるスピード、食べ方でも味がどんどん変わっていく。自分のベストはやっぱり、極細でパリパリの麺があるんですけども、細ければ細いほど、あんが染み込んでいって、柔らかくなっていくと思うので。やっぱりその部分が、一つの麺料理としてどうなのかなというのが、自分にはありますね」

山田氏はこう語った上で、「他の麺と比べて皿うどんの麺っていうものが、劇的に進化しているという印象もそんなにないのかな」「皿うどんも変わっていって良いんじゃないかな」と疑問視していた。

■「『皿うどん』というものはそういうもの」リンガーハット社長も反論

厳しく酷評したのはリンガーハットへの期待もあったようだが、福原社長はやや納得がいかなかったようだ。

「わかる話と、もう少し我々の『皿うどん』のコンセプトをわかって頂きたいなというところも正直ある」と率直な気持ちを語り、商品についてこう反論していた。

「細麺の上にあんをかけると、当然、染み込んでふにゃふにゃになるんですけど、その食感を楽しんでもらうため、半分ぐらいは(麵の上にあんを)かけていなかった。それはフライ麵の食感を楽しんでもらうためにそうしている。

ただ半分は、やはり『皿うどん』というものはそういうものであって、その両方を食べる食感を楽しんでもらいたいという思いで出しているので、山田さんが仰っていることとは少し思いが違うのかなと思いました」

ジャッジを見守っていた視聴者の中にも、「皿うどん」は“パリパリの麺がやわらかくなるのも楽しみのひとつ”と感じている人も少なくなかったようだ。Xでは山田氏の見解に、苦言を呈する声が。一時は、「#皿うどん」がトレンド入りするほどだった。

《なんか皿うどんのジャッジだけは 納得いかんな 九州の皿うどんて パリパリからシナシナまでが料理やん》
《3位の皿うどんを不合格にした #山田英明さんのコメント。だれかわかりやすく教えてほしい。何を言っているのか意味が分からん》
《皿うどんがなんなのかを知らない人にジャッジして欲しくないと思って怒りすら覚えたけど、全国展開していくって言うのはそういう事なんかなー》
リンガーハットのメニューではなく 皿うどんという料理自体を否定しちゃったシェフは、 多くの長崎県民を敵に回したかもなぁ》

そのいっぽうで、《硬麺の皿うどん、たしかに最後までずっと麺パリパリで食べたいっていう願望はあるんだよなあ》《皿うどんは好き嫌いが分かれるよね》と理解を示す声もあった。

幅広い世代から支持を集める大人気メニューとあって、プロの料理人の指摘は注目を浴びてしまったようだ。