斎藤元彦・前兵庫県知事

写真拡大

 兵庫県議会による不信任決議を受け、30日に失職した斎藤元彦・前兵庫県知事(46)。4年前に絶縁した親族もあきれ果てているようで……。

 ***

【写真をみる】“お土産”を「俺がもらっていく」と堂々お持ち帰り 高級ガニを手に満面の笑みを見せる“パワハラ疑惑”の斎藤知事

 およそ半年前からパワハラやおねだりなどの疑惑を告発した文書が報じられていた斎藤知事の不信任決議案が、ついに9月19日、全会一致で可決された。すると、彼は翌20日から突然、立て続けにテレビへ出演した。

「20日は毎日放送の『よんチャンTV』で単独インタビューが放送され、NHK大阪の『かんさい熱視線』には中継で生出演しました。翌21日にも読売テレビの『ウェークアップ』(日本テレビ系)に生出演。何の前触れもなくテレビに出演する知事を見て、県庁の関係者たちは目が点になっていました」(県政担当記者)

 中でも全国ネットの「ウェークアップ」は、斎藤知事が約30分間にもわたってアナウンサーの質問に一対一で答える異例の構成で、物議を醸した。

斎藤元彦・前兵庫県知事

 在阪テレビ局員はこう言う。

「知事サイドが提示してきた、生放送はもちろん、インタビュアーを記者ではなくアナウンサーにすることなどの細かい条件を渋々のみ、普段だったらありえない放送内容になってしまったそうです」

30分間もワンマンショーが

 番組側はフリップを用いるなど、知事の偏った主張を一方的に垂れ流す形にならないように“抵抗”したが、焼け石に水だった。

「約30分間、彼のワンマンショーが繰り広げられたのです。最もタチが悪かったと批判されている、告発を握り潰そうとした問題については“クーデターが起こりかねないと思った”と、これまで通りの言い訳を展開。告発者が自殺した件に関しても、自らの責任を一切否定しました。その上で、何度も十八番の“改革”という言葉を発し、しつこいくらい知事としての実績をアピールしたのです」(前出の県政担当記者)

 斎藤知事は富裕な実業家だった母方の祖父から、元兵庫県知事(1962〜70年)の故・金井元彦氏にあやかって、同じ“元彦”の名前を授かった。

「税金を何だと」

 本誌(「週刊新潮」)は9月26日号で、斎藤家が4年前にそんな祖父の遺産を巡る相続争いを起こし、親族から絶縁されていた事実を報じた。不信任案が可決された後、改めてこの親族を訪ねると、

「自分の気持ちだけで解散なんてしていいのか、天に向かって尋ねてほしい。それにかかる税金を何だと思っているのでしょうか」

 議会の解散を仄めかしている彼にこう憤った。そして、相続争いの舞台となった祖父の邸宅は、

「孫が集まるために、みんなで別荘として使うつもりでいたのに……」

 が、知事選の資金にするため、勝手に売り払ったという。

「モト君(斎藤知事)はご両親も一目置くほど勉強ができる、いい子でした。“他人の気持ちを考えなさい”なんて叱られた経験が皆無のまま、他人の気持ちが分からない大人になったのでしょう」

 親の育て方が、今回の騒動に大きく影響しているとみる。

「みなさんの反面教師になればいい」

「彼の言動を見ていると、“勉強さえできればそれでいい”わけではないのだと、教えられました。その意味で、子育てについても、政治の世界においても、みなさんの反面教師になればいい。だから今、矢面に立っているのも致し方ないと思います」

 斎藤知事は「ウェークアップ」の冒頭で、生出演した理由を“思いを伝え切れていない”と述べた。しかし、自らの気持ちを訴えるよりも前に、この親族の言葉に耳を傾けるべきだろう。

関連記事【斎藤知事はなぜ親族から絶縁された? 「お年玉を渡したが…」「官僚になって変わってしまった」】では、親族が語った斎藤知事の“変質”のきっかけについて報じている。

「週刊新潮」2024年10月3日号 掲載