ヘッドフォンアンプ「P-100 CENTENNIAL」

ラックスマンは、創業100周年の記念モデル第1弾として、「あらゆるヘッドフォンを縦横無尽にドライブする」というヘッドフォンアンプ「P-100 CENTENNIAL」を11月に発売する。価格は99万円。

同社は2002年に、スピーカー駆動用パワーアンプの増幅回路として開発した独自のODNFテクノロジーを、ヘッドフォン専用パワーアンプに転用した「P-1」を発売し、話題となる。2012年には、「P-700u」で多くの他社に先駆けて回路をフルバランス化。信号グラウンドが左右チャンネルで共通化されているヘッドフォン独自の接続事情を改善する方法として提案した。

そしてP-1の登場から22年。第7世代目の最新ヘッドフォンアンプがP-100 CENTENNIALとなる。

P-100 CENTENNIALの内部

「現在ラックスマンが考え得る最高の回路と物量を惜しげなく注ぎ込んだ創業100周年記念のフラグシップモデル」として開発。心臓部には、ラックスマンが100周年以降の製品ラインアップにも搭載すべき基幹技術として開発した独自の増幅帰還回路「LIFES」を搭載。

独自の増幅帰還回路「LIFES」

定格4W+4W(アンバランス出力8Ω負荷)、8W+8W(バランス出力16Ω負荷)の余裕ある出力を実現し、パワーアンプのフラグシップモデル「M-10X」同様、豊かな音場空間と繊細な表現力、そしてエネルギー感あふれる壮大なサウンドを獲得したとする。最大出力は20W+20W(バランス出力8Ω負荷)を実現。

高音質とハイパワーをサポートするため、新たに電源トランスからレギュレーター、ブロックコンデンサーまでを完全に左右独立構成した大容量ハイナーシャ電源を搭載している。

様々な特性を持つハイエンドヘッドフォンとの接続を想定し、内蔵する4アンプ回路を組み合わせたパラレル、BTL、グラウンド独立など、複数の出力モードを選択可能。

さらにスペシャルなモードとして、P-100 CENTENNIALをモノラル動作させるために2台使用し、合計8アンプ回路を使用した究極のパラレルBTLバランス出力設定も可能。今後登場する未知の特質を持ったヘッドフォンとの組み合わせにおいても、充分に能力を発揮できる拡張性があるという。

2台使用し、合計8アンプ回路を使用した究極のパラレルBTLバランス出力設定も可能

ユーティリティとしては、従来機能に加え、スムーズで適度な重量感を持ったボリュームノブとロータリーエンコーダーの組み合わせで構成された、0.5dBステップ200段階の高純度電子制御アッテネーター「LECUA-EX」を採用。小音量時にも音楽のディテールを失わない最新型ソリッドステートタイプの高純度電子制御アッテネーターと重量回転メカを組み合わせている。

0.5dBステップ200段階の高純度電子制御アッテネーター「LECUA-EX」

3桁の大型7セグメントLEDや、過大な音量から耳を保護するためのVOLUME LIMIT機能なども搭載する。

フラグシップに相応しいエクステリアとして、多くの物量を支えるためにサイズアップされた高剛性筐体と極厚のボトム鋼板、3面ヘアライン仕上げのオーバーサイズボンネットと100周年を表す「CENTENNIAL」銘板も装着。グラデーション鋳鉄製レッグを脚部には使っている。

出力端子はアンバランス6.3mm、バランス4.4mm、バランスXLR-4Pに加え、2台を使ったパラレルBTLバランス出力モード専用端子としてバランスXLR-3Pも搭載。バランス出力端子使用時には、「BAL:BTLバランス」と「G-DIV[GROUND DIVIDE]:グラウンドをLR独立させたパラレル・アンバランス」2種類の出力モードを切り替えられる。

複数のソース機器を接続可能な3系統の入力(アンバランスRCA、バランスXLR ×2)とスルー出力(アンバランスRCA)も備えている。

電源部にはアンプ回路用にLR独立の大容量OI型トランス×2と、リレー切替やLEDインジケーター類のための周辺回路用トランスを独立搭載。パワー段には10,000μF×4本、ドライバー段には3,300μF×4本のブロックコンデンサーをLR独立構成で搭載。装着方向を変更し端子全体でケーブルの重量をサポート可能とした金メッキ仕上げのACインレットを採用。ノンツイスト構造の3.5mm2高純度OFC線と金メッキ仕上げのプラグを採用した電源ケーブル「JPA-15000」(極性マーク付き)を同梱する。

外形寸法は446×401×136mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は19.7kg。

背面