シス・カンパニー+KERA、『桜の園』を上演へ~チェーホフ四大戯曲上演シリーズの最終章ついに実現へ
シス・カンパニーは、2024年12月8日(日)~12月27日(金)、東京・世田谷パブリックシアターでアントン・チェーホフの戯曲『桜の園』を上演する(その後、大阪・SkyシアターMBS、福岡・キャナルシティ劇場を巡回)。上演台本・演出はケラリーノ・サンドロヴィッチ。出演キャストには、天海祐希、井上芳雄、大原櫻子、荒川良々、池谷のぶえ、峯村リエ、藤田秀世、山中崇、鈴木浩介、緒川たまき、山崎一、浅野和之という強力な布陣が揃った。
アントン・チェーホフは、帝政ロシア末期の社会を舞台に、没落してゆく社会と人間をみつめた数々の傑作戯曲を世に遺した、ロシアを代表する劇作家である。ある者は過去の栄華にしがみつき、ある者は新しい時代を夢見て前へ前へと歩み始める…そんな人間たちの姿を描き、いつの時代も観る者の心をざわつかせてきた。中でも『かもめ』(1896)、『ワーニャ伯父さん』(1899)、『三人姉妹』(1901)、そして『桜の園』(1904)はチェーホフ四大戯曲として、現代に至るまで世界各地で頻繁に上演が行なわれている。
シス・カンパニーは、そのチェーホフ四大戯曲のコンプリート上演に向けて、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が上演台本と演出を手がけるシリーズ【KERA meets CHEKHOV】をこれまでプロデュースしてきた(2013年『かもめ』、2015年『三人姉妹』、2017年『ワーニャ伯父さん』)。そして、このほど、その最終章にあたる『桜の園』の上演が実現される運びとなり、長きに亘ったシリーズはここにおいてようやく完結となる。
チェーホフが彼の生涯最後の戯曲に託した思い、人間の可笑しみ、哀しみが、KERA独自のタッチでどのように描き出されていくのか、作品への期待は大きい。
【『桜の園』 STORY】
19世紀末のロシア。桜の木々に囲まれた、もはや没落している貴族の屋敷に、長く外国に滞在していた女主人ラネーフスカヤ夫人(天海祐希)が、迎え に行った娘のアーニャ(大原櫻子)と家庭教師シャルロッタ(緒川たまき)と 共に 数年ぶりに戻ってきた。兄のガーエフ(山崎一)、留守中の屋敷を切り盛りしていた養女のワーリャ(峯村リエ)や 老僕フィールス(浅野和之)は再会を喜ぶが、実は 屋敷の財政は火の車…。この家の元農奴の息子で、今は商人として頭角を 現しているロパーヒン(荒川良々)は、かつての主家を救おうと救済策を提案するが、ラネーフスカヤ夫人やガーエフは現実に 向き合えず、浪費を繰り返す。そんなことを知ってか知らずか、隣の地主ピーシチク(藤田秀世)は借金を申し込む。 屋敷の事務員エピホードフ(山中崇)は、小間使いのドゥニャーシャ(池谷のぶえ)に求婚しているが、当人は外国帰りの夫人の 従僕ヤーシャ(鈴木浩介)に夢中だ。そして、夫人の亡き息子の家庭教師だった大学生トロフィーモフ(井上芳雄)は、来るべき時代の理想像を、アーニャに熱く 語っている。様々な人間ドラマが繰り広げられる中、ついに抵当に入れられていた領地が、競売にかけられる日がやってきた。 果たして、「桜の園」と呼ばれる屋敷の運命は…?