【福井・東尋坊から車で約5分】神の島・雄島を一望!「Brilliant Heart Museum」で素敵なアート体験を
伝説と神秘に満ちた神の島「雄島」
三国町安島地区の沖に浮かぶ雄島は、数々の伝説が伝わる神の島として、古くから地元の人たちに崇められてきました。島に広がる原生林は1000年以上も斧を入れていないといわれ、手つかずの自然が生み出す神秘的な姿から、パワースポットとしても近年注目されています。
雄島を見下ろす丘の上に立つ完全予約制の私設美術館
雄島に渡る赤い橋のたもとには、雄島を見下ろす小高い丘があります。古い民家の間を縫うように続く細い道を上ったその先に「Brilliant Heart Museum」はあります。三国町出身のアートディレクター・戸田正寿(とだせいじゅ)氏が館長を務める個人美術館で、雄島の風景をまるで一枚の絵画のように鑑賞できる空間になっています。1組約1時間の完全予約制なので、心ゆくまでゆっくりとアートを楽しむことができます。
刻一刻と変化する雄島の風景がアート作品
展示室のドアを開けると、目の前に額縁のような横4m×縦1.5mの大きな窓が現れます。窓枠に切り取られた雄島の風景は、まるで絵画のよう。一瞬とて同じ風景はなく、刻々と変化する移ろいをアート作品として鑑賞できます。戸田氏は高校時代の恩師だったジャンクアートの巨匠・小野忠弘氏や現代アーティストのサム・フランシス氏など、雄島に魅了された芸術家との交流が心に残っていて、その記憶が故郷への思いに重なり、アートの舞台に雄島の風景を選んだそうです。
窓に映る雄島は、訪れる季節や天候、時間帯で全く異なる風景を見せます。晴れた日は真っ青な海と空に雄島の緑と赤い橋が映え、雨の日は水墨画のような幻想的な姿を、夕刻には真っ赤に染まる空に雄島の美しいシルエットが浮かぶ姿が……。何度足を運んでも、訪れる度に新しい発見と出会いがあるので新鮮です!
虹色のプリズムが揺れる光の演出
雄島の風景をさらに印象的に彩るのが、無数の虹が空間に広がる光の演出です。展示室の側面と天窓には、戸田氏が考案した「Seijuカット」を施した特殊なクリスタルが常設されていて、クリスタルに反射した日差しが虹色の光になって室内を照らします。日差しの強さや角度によって、光の出る位置や色の濃淡が変化するので、その瞬間にしか生まれない、雄島の風景と虹色の光のコントラストを楽しめます。
悠久の時間に思いを馳せる縄文土器のオブジェ
右側の壁には、戸田氏が収集した縄文土器のコレクションで制作した「5千年の顔」というオブジェがあり、太古の人類が土器に刻んだ手仕事の跡が見られます。雄島は約1200〜1300万年前に噴き出した溶岩でできた島で、長い歳月をかけて創り出された手つかずの自然が残っています。じっくりと鑑賞しながら、それぞれに息づく悠久の時間に思いを馳せてみてはいかがでしょう。
無心になれる時間を楽しむ
室内には、戸田氏が選んだ最高のポジションに、6つの席が設けられています。最初に窓の正面に座り、次に左側、そして壁際と、多彩な視点から変化する風景を楽しめます。入館料にはお抹茶と一口サイズのお菓子が付いているので、気に入った席でお茶をいただきましょう。
美術館を貸し切って約1時間、美しい自然のアートと対峙するプライベートな時間を堪能できる「Brilliant Heart Museum」。訪れる人はみんな、「あっという間に時間が過ぎていた」と驚くそう。それほど、ただ無心で見つめ、心の赴くままに感じることが、時間の密度の濃さにつながっているのかもしれませんね。
三国町でミュージアム巡りもオススメ
さらに、三国町内には、小野忠弘氏の作品を展示する美術館「ONOメモリアル」や戸田氏が展望室をプロデュースした「龍翔博物館」があり、ミュージアム巡りも楽しめます。自然が生み出す一期一会のアートを楽しみに、雄島に足を運んでみませんか。
■Brilliant Heart Museum(ブリリアント・ハート・ミュージアム)
住所:福井県坂井市三国町安島字26-21
TEL:090-6819-9956(予約・問い合わせ窓口)
営業時間:11〜17時(入館は16時まで、特別開館時は延長あり)
開館日:4月1日〜11月30日の金・土・日曜、祝日
料金:2000円
※入館には事前予約が必要です。支払いは現金のみです。
Text:佐藤公美恵
Photo:高橋良典、Brilliant Heart Museum
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