大谷翔平の「40ー40」で脚光を浴びる打者の指標「パワー−スピード・ナンバー」、歴代トップを更新する可能性も十分
規格外のパフォーマンスを続ける大谷が新たな歴史を刻み続けている(C)Getty Images
ドジャースの大谷翔平は歴代最速の出場126試合目で、シーズン「40本塁打&40盗塁」のクラブ「40−40」入りを果たした。2006年に147試合目で達成したアルフォンソ・ソリアーノ(当時ナショナルズ)の最速記録を大幅に更新した。そこで全米で注目を集めている指標がある。セイバーメトリクスを生んだビル・ジェームズが提唱する「パワー−スピード・ナンバー(PSN)」だ。
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これは本塁打数と盗塁数を組合わせた、野手の指標の1つ。パワーとスピードを兼ね備えた選手を簡易的に評価できる。どちらかのみを量産するよりも、両方をバランスよく積み重ねた方が数値は大きくなる。
指標を導き出す公式は「2×本塁打数×盗塁数」を「本塁打数+盗塁数」で割る、というもの。なおシーズンで最高のPSNは、昨季にロナルド・アクーニャ(ブレーブス)が残した「52.51」だ。アクーニャは41本塁打、73盗塁で史上初の「40−70」をマークした。アクーニャに抜かれるまで君臨していたのが、1998年にアレックス・ロドリゲス(当時マリナーズ)が記録した「43.91」で、この年は42本塁打、46盗塁だった。以降、前記したソリアーノの2006年の「43.36」、1987年のエリク・デービス(当時レッズ)の「42.53」、1986年のリッキー・ヘンダーソン(当時ヤンキース)の「42.37」と続いていく。
大谷は26日現在、41本塁打、40盗塁。現時点でのPSNは「40.49」となっている。これは歴代9位の数字だ。米スポーツ専門局『ESPN』電子版では、ブラッドフォード・ドゥーリトル記者がこの数字を紹介している。
「オオタニのPSNはアクーニャの歴代トップの数字に迫りつつある。50−50に近づけば、あるいはその上にいくことができれば。いずれにせよ45−45は容易に手が届くところにあり、歴代2位に浮上するのは時間の問題だろう」
ドゥーリトル氏はそう指摘した。仮に「50−50」を達成すればPSNは「50」ちょうど。そこから本塁打か盗塁のいずれかでも上積んでいくことができれば、アクーニャの数字にも手が届くというわけだ。
単純な記録だけでなく、指標という面でも異次元の領域へと突入しようとしている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]