和田アキ子

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 8月18日放送の「アッコにおまかせ!」(TBS)の冒頭で、和田アキ子(74)が謝罪した。前週の放送中、パリ五輪の陸上女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手に対して「トドみたい」と発言、猛烈な批判を浴びたためだ。謝罪後の番組は、まるでお通夜のように。不適切な発言が容赦されない時代となった――。

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 今年1月期に放送されたドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS)は、コンプライアンスが厳しくなりすぎた現代へのアンチテーゼ、警鐘という声もあった。ところが皮肉なことに、ドラマ終了後、不適切発言による炎上や謝罪、芸能活動の休止に追い込まれる事態は、むしろ増えつつある。民放プロデューサーは言う。

和田アキ子

「和田さんの前にはフワちゃん(年齢非公開)の一件もありました。8月4日、フワちゃんがXにポストした芸人のやす子さんに宛てた書き込みが炎上。謝罪しても非難のコメントは収まらず、11日には芸能活動を休止するまでに追い込まれました。その書き込みは確かに酷い内容でしたが、フワちゃんはやす子さんに直接謝り、やす子さんも彼女を許しました。それでも炎上は止まりませんでした」

 当人が許しても、怒りの声は収まらなかったのだ。

「和田さんのコメントも決して褒められたものではありません。ただ、かつてなら許されたコメントが許されない時代になっていることは確かです。昭和の頃から“芸能界のご意見番”として君臨してきた和田さんの場合、時代が変わったことを思い知らされたかもしれません」

 これまでも「アッコにおまかせ!」での和田の発言は、たびたびネット上で俎上に載せられてきた。

「ネットで炎上を誘うような書き込みをする人はごく一部と言われますが、そういった人が手ぐすね引いて番組を見ていることもあるのでしょう。そのため業界では、次は誰が狙われているのかと話題になっています」

 いわば“第2の和田アキ子”というわけだが、誰だろうか。

「ゴゴスマ」でたびたび話題に

「タレントの鈴木紗理奈さん(47)です。隔週火曜日のコメンテーターとしてレギュラー出演している情報番組『ゴゴスマ―GO GO!Smile!―』(TBS系/CBCテレビ制作)での発言が、たびたび物議を醸しています」

 どのような内容だろう。

「8月13日の放送では、夏休みなのに猛暑のため外で遊べない子供たちが話題になりました。そして彼女が『うちの子、ずっと家にいますよ。体を動かしたい時は朝5時に起きて、5時から家の周りでバスケとかして、7時くらいには戻ってきます』と語り、それがネット記事で《早朝のバスケは近所迷惑》と取り上げられました」

 もっとも、この件について彼女は、16日に自身のInstagramのストーリーで《我が家には隣り近所がありません!早朝でも深夜でも誰にも迷惑かけず遊べます》と説明した上で、《どんな発言もネガティブな記事を書かれ炎上してないのに炎上を煽られます》《記事にされる事を恐れて誰も何も発言しなくなればあらゆる事への衰退を招きます もっと社会に有意義なこと記事にしましょうよ!!》と綴った。

「確かにそうなのですが、彼女も和田さん同様、重箱の隅をつつくように見張られているのかもしれません。8月6日には、パリ五輪で銅メダルを取った総合馬術団体の“初老ジャパン”について、彼女は身振り手振りを交え熱く解説しました。それについては絶賛する声も上がったのですが……」

国民的美少女で入賞

 興味を持ったMCの石井亮次アナが「どこで見られるんですか?」と振ると、紗理奈は「グリーンチャンネルで見られますので!」と答えたまではよかったが、それが有料配信か無料配信かがわからなかった。

「石井アナが『あれ(グリーンチャンネルは)、入会費が要ります。お父さんがよく土日ずっと見ているグリーンチャンネルですから』と答えたことで有料ということになったのですが、五輪の馬術競技のライブ中継は無料配信されていました。そのため《紗理奈が嘘情報を流している》と非難するネット記事も出ました」

 どちらかといえば、攻められるのは石井アナのような……。ともあれ、それほど非難される内容でもないだろう。

「少し前には、映画『SLAM DUNK』が話題になった際に、紗理奈が『世代ですよね私たち、スラムダンク!』と言ったものの、登場人物の名前が出てこず、にわかファン呼ばわりされて謝罪したこともありました」

 謝罪するほどのものでもないだろう。なぜ彼女の発言は俎上に載せられるのだろう。

「彼女は中学3年の1992年に応募した第6回全日本国民的美少女コンテストで演技部門賞を受賞したことがデビューのきっかけでした。ちなみに、同コンテストのグランプリは佐藤藍子さん、審査員特別賞は米倉涼子さんでした。翌年にはコンテストの入賞者らで4人組グループ『美SHOW女』を結成、深夜番組のレギュラーとなるのですが、番組は3カ月で終了。彼女は地元の大阪に戻り、高校生活を続けました」

 だが、ここでは終わらなかった。

「10年食わせてあげる」

「大阪・梅田で買い物をしていた時に現在の所属事務所の社長にスカウトされ、芸能活動を復活させました。その際、社長に対して『本気で売ってくれんの? じゃあ10年契約しましょ。10年食わせてあげるから』と言ったというのは伝説になっています」

 昔からズバズバ言うタイプだったようだ。

「国民的美少女コンテストで入賞するくらいですから、見た目はいいのでアイドルとして売り出そうとしたものの、よく喋るうえに歯に衣着せぬストレートな物言いが面白いと評価され、バラドルに転向したのです」

 驚くことに、94年の再デビュー後の彼女は、情報番組やワイドショーなどのレギュラーがほとんど途切れていないのだ。

「元ヤンというキャラも発揮して、有識者コメンテーターにはない独自の切り口が共感を得る部分も多かったのでしょう。飾らないキャラやコメントがウケていた時代でした」

 ところが――、

「2006年、彼女は同棲相手と暮らしていたマンションの住民から、夜な夜な音楽と歌声を大音響で轟かせているのがうるさいと苦情が出て、パトカーが出動する事態になりました。それでも事態は収まらず、住民の代表が弁護士を立て、彼女の所属事務所に内容証明郵便が送られる騒ぎに発展。紗理奈さん側が謝罪し、部屋を引き払うことになりました」

 さらに――。

炎上の過去

「07年には、未成年での喫煙で事務所を解雇された元モーニング娘の加護亜依さんや、年齢をサバ読みしていたタレントの夏川純さんを、紗理奈さんがブログで擁護して問題視されました」

 それを報じた当時の記事に、文面が再録されている。

《喫煙しただけで追放になる芸能界ってどないなん?/年ごまかしてただけで真面目に謝罪せなあかん芸能界ってどないなん?/あたしにとってはどっちも全然たいした問題じゃない/悪い事は一通りしてましたが何か????/20歳過ぎてからタバコ吸う人のほうが少ないやろっ!!/年齢で女を判断する日本の社会がおかしいやろ!!/芸能人やからって真面目にせなあかんのはおかしくねぇか?/等身大で言いヤンか。/芸能人がみ〜〜〜んな真面目になったら何か夢ないよなぁ》(「週刊実話」07年4月26日号)

「ブログにはコメント欄がなかったので炎上には至りませんでしたが、所属事務所に抗議が殺到したため彼女は謝罪することになりました」

 彼女のコメントは言葉こそ乱暴ではあるものの、言っていること自体はわからないではない。

「これこそが紗理奈さんの個性的なキャラクターがわかるコメントではあるのですが、それも許されないと煽る人がいる時代なのです。とはいえ、ネットニュースで叩かれる発言は、悪気のない独自目線のコメントと言っていい。彼女のファンは、大阪のおばちゃんのような彼女の発言を期待し、見守っているはずですが、そうではなく見つめているネット民もいるのです。もし彼女が今後、ご意見番と呼ばれるような発言に終始すれば、ネット民の餌食にされてしまうかもしれません」

 お気をつけください。

デイリー新潮編集部