知る人ぞ知る?フランス・ジュラ地方で作られる黄色いワイン「ヴァン・ジョーヌ」とは
ワインはどれが好み?赤?白?この季節は冷やしたロゼも良いね。僕は黄色が好き。Vin jaune(ヴァン・ジョーヌ)と呼ばれる黄色いワインは、フランスのスイスに近いジュラ地方で作られるワインだ。中でも有名なのがシャトーシャロン。中世に栄えたシャトーシャロンは、その時に時を止めたかのような小さな村。今では「フランスで最も美しい村」に選定されている。ジュラ地方は太古の時代、海だった場所で、大陸が移動して今の地形になった。そのため、冬には雪が積もるこの地方ならではの気候と土壌に植えられたサヴィニョン種のブドウを原料に、白ワインと同様に発酵させる。その後、樽に移され6年と3カ月熟成させるという、他のワインにはない製法で作られる。
【画像】他のワインにはない製法で作られる黄色いワインと、それに合う郷土料理(写真17点)
通常、ワインは空気に触れないように隙間なく樽に収められるが、黄色いワインは10cmほど隙間を作っておく。すると表面にヴォワルという天然酵母が膜を作り、ワインを酸化から守り、風味を与え、黄色いワインを時間をかけて変えていく。それが一目で分かるボトルに入れられる。量は620ccと厳格に決められている。飲むときはデカンターに移したり、幅の広いグラスに注ぎ、酸素に触れさせて香りも楽しむ。
この黄色いワインを中心にジュラ地方のワインの話を伺ったのは、CIVJ(COMITÉ INTERPROFESSIONNEL DES VINS DU JURA:ジュラワイン専門職間委員会)のオリヴィエ・バドゥーロ(Olivier Badoureaux)ディレクターだ。CIVJはジュラのワインの中心地となるアルボワ市にある。シャトーシャロンから30分ほど離れたところにあるアルボワ市では、中世から続くジュラ地方の収穫祭Fête du Biouが毎年行われる。その年に採れたブドウを集めて房を作る。それがBiou(ビウ)と呼ばれるもので、これを生産者の中で指名された4人が担いで教会に運び、神父によって祈りが捧げられ、教会につるされて祭られる。ちなみにアルボワ市では、この祭りを世界遺産に登録しようと申請中だ。
その土地で作られたワインは、その土地の食べ物によく合う。バドゥーロ氏の案内で、ジュラのワインを楽しめるレストランを紹介してもらった。そして、ワインに合う郷土料理も。
最初にクレマン・デュ・ジュラ(Crémant du Jura)。これはジュラ地方で作られるスパークリングワインだ。フランスは日本に比べてはるかに涼しいが、この日は35℃を超え、パリよりも湿気が多く日本の夏を思い出させる。そんな中、冷えたクレマンは繊細な泡立ちとフルーティーさで生き返る。
ジュラ山脈からの雪解け水が流れる川ではトラウトが獲れる。トラウトは鮭のように赤身だ。それを前菜に、ジュラ地方で有名な鶏ブレスのクリーム煮。もちろんジュラのワインとチーズで風味付けしている。そして、ジュラと言えばコンテチーズ。そのコンテチーズのチーズフォンデュ。これを頂きながらバドゥーロ氏お勧めのワイン、Arbois Bacchus(アルボワ バッカス)。濃厚なソースのブレスに合うのはもちろん、コンテたっぷりのフォンデュとは正にマリアージュだ。ジュラのワインはコンテチーズに何とも合う。この暑さでテラス席でフォンデュは、真夏に外で鍋をつつくようなものだが、その味に暑さを忘れて堪能した。デザートには黄色いワインが使われたクリームブリュレ。
ジュラ地方は山脈があり、中世に栄えた地方ということで美しい村が多い。パリから車で約500km。フランスの高速道路の制限速度は130km/hなので、4時間ほどの距離だ。高速道路上には名所を示す看板があり、ブルゴーニュに入るとその看板が立て続けに目に入る。立ち寄る名所が豊富にあり、ドライブにも最適な地方だ。そのブルゴーニュのさらに西にジュラ地方がある。ということで、これから時々ジュラのワインの魅力を伝えていこうと思う。
写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI
通常、ワインは空気に触れないように隙間なく樽に収められるが、黄色いワインは10cmほど隙間を作っておく。すると表面にヴォワルという天然酵母が膜を作り、ワインを酸化から守り、風味を与え、黄色いワインを時間をかけて変えていく。それが一目で分かるボトルに入れられる。量は620ccと厳格に決められている。飲むときはデカンターに移したり、幅の広いグラスに注ぎ、酸素に触れさせて香りも楽しむ。
この黄色いワインを中心にジュラ地方のワインの話を伺ったのは、CIVJ(COMITÉ INTERPROFESSIONNEL DES VINS DU JURA:ジュラワイン専門職間委員会)のオリヴィエ・バドゥーロ(Olivier Badoureaux)ディレクターだ。CIVJはジュラのワインの中心地となるアルボワ市にある。シャトーシャロンから30分ほど離れたところにあるアルボワ市では、中世から続くジュラ地方の収穫祭Fête du Biouが毎年行われる。その年に採れたブドウを集めて房を作る。それがBiou(ビウ)と呼ばれるもので、これを生産者の中で指名された4人が担いで教会に運び、神父によって祈りが捧げられ、教会につるされて祭られる。ちなみにアルボワ市では、この祭りを世界遺産に登録しようと申請中だ。
その土地で作られたワインは、その土地の食べ物によく合う。バドゥーロ氏の案内で、ジュラのワインを楽しめるレストランを紹介してもらった。そして、ワインに合う郷土料理も。
最初にクレマン・デュ・ジュラ(Crémant du Jura)。これはジュラ地方で作られるスパークリングワインだ。フランスは日本に比べてはるかに涼しいが、この日は35℃を超え、パリよりも湿気が多く日本の夏を思い出させる。そんな中、冷えたクレマンは繊細な泡立ちとフルーティーさで生き返る。
ジュラ山脈からの雪解け水が流れる川ではトラウトが獲れる。トラウトは鮭のように赤身だ。それを前菜に、ジュラ地方で有名な鶏ブレスのクリーム煮。もちろんジュラのワインとチーズで風味付けしている。そして、ジュラと言えばコンテチーズ。そのコンテチーズのチーズフォンデュ。これを頂きながらバドゥーロ氏お勧めのワイン、Arbois Bacchus(アルボワ バッカス)。濃厚なソースのブレスに合うのはもちろん、コンテたっぷりのフォンデュとは正にマリアージュだ。ジュラのワインはコンテチーズに何とも合う。この暑さでテラス席でフォンデュは、真夏に外で鍋をつつくようなものだが、その味に暑さを忘れて堪能した。デザートには黄色いワインが使われたクリームブリュレ。
ジュラ地方は山脈があり、中世に栄えた地方ということで美しい村が多い。パリから車で約500km。フランスの高速道路の制限速度は130km/hなので、4時間ほどの距離だ。高速道路上には名所を示す看板があり、ブルゴーニュに入るとその看板が立て続けに目に入る。立ち寄る名所が豊富にあり、ドライブにも最適な地方だ。そのブルゴーニュのさらに西にジュラ地方がある。ということで、これから時々ジュラのワインの魅力を伝えていこうと思う。
写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI