8月8日に池袋東口にオープンした「ソフマップ池袋店」。奥がビックカメラ池袋本店

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 ソフマップ池袋店が8月8日、開店を待つ行列ができる中、開店時間10時の5分前にオープンした。中古のスマートフォンやノートPCはそれぞれ2500アイテムという豊富な品揃えで、中古の品揃えでは秋葉原のソフマップをしのぐほどだという。ビックカメラの池袋本店と池袋カメラ・パソコン館と連携した、新品と中古、買取によるサーキュラーエコノミーの取り組みも注目だ。

●ソフマップの中古で最大規模の店舗



 オープン記念キャンペーンについては既報の記事を参照していただきたい。ここでは、ビックカメラグループ(ビックカメラ/ソフマップ/コジマ)によるSDGsやサーキュラーエコノミーの新たな取り組みに絞って紹介したい。

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 ソフマップ池袋店について見上卓三店長は「中古専門店として関東圏の旗艦店という位置づけで出店した。ソフマップの強みである中古に特化している」と、中古のスマホやタブレット端末、ノートPC、カメラなどの品揃えを強調する。

 見上店長は、ソフマップAKIBAパソコン・デジタル館とAKIBA駅前館の立ち上げに携わった経験もある。「そのときよりも池袋店の方が中古の在庫量は多い。ソフマップの中古で最大規模の店舗」という。

●ビックカメラ池袋本店と池袋カメラ・パソコン館と連携



 すぐ近くにあるビックカメラとの連携も強みになる。見上店長は「ビックカメラの店長とも連携して、池袋本店や池袋カメラ・パソコン館で中古をお探しのお客様を誘導してもらったり、逆に新品は両店に送客したりしていきたい」と語る。

 連携する上でポイントになるのが、グループの買取総合サービス「ラクウル」だ。ソフマップ池袋店の2階には、買取カウンター「ラクウルステーション」を併設し、不要になった商品を高額で買い取ったり、買い取りに関する相談を受けたりする。

 買い取りで気になるデバイス内の個人データも、ソフマップなら専用の機器とソフトウェアで適正に処理してくれるから安心だ。ソフマップが加盟するデータ適正消去実行証明協議会(ADEC)による「データ適正消去実行証明書」を発行してくれる。

●ビックカメラ池袋本店でも「ラクウル」をアピール



 ビックカメラ池袋本店の1階スマホコーナーでもこの「ラクウル」を全面的にアピールしていた。スマホの購入を検討しにきたお客に、今使っているスマホを買い取ってもらい、その買取金額を新品の購入費用に充てるという提案である。例えば、4年前のiPhoneなら買取金額は6万9000円になる。

 ラクウルで買い取るアイテムは、スマホやノートPC、タブレット端末、カメラだけではない。エレキギターやゲームソフト、ブランドのアパレルやバッグ、キャンプ用品、酒、骨とう品、絵画、掛け軸など、家にある不要になったものを買い取ってくれる。

 しかも、わざわざ店舗に行かなくても、自宅でタンボールに詰めて、ラクウルのアプリから集荷日を指定すると、送料無料で運んでくれる。初めて使う人向けの「かんたん買取キット」(880円)も用意しており、これを利用すれば買取金額3000円の増額チケットが付いてくる。

 もちろん、ソフマップやビックカメラ、コジマ以外で買った商品でもよく、買取金額は指定した口座に振り込まれたり、現金受け取りや手数料が無料のビック買取マネー(ビックカメラグループの電子マネー)で受け取れたりする。

●SDGsやサステナビリティのトレンドと合致



 ラクウルアプリでグループで購入した商品を登録しておけば、その時々で変動する買取価格を確認できる。グループの共通ポイントカードをアプリに登録するだけで、買取金額やアイテム情報をいつでも確認できる仕組みだ。

 実際に、ソフマップ池袋店の中古商品ケースを覗いてみると「本当に中古品なのか?」と思うほど、きれいな商品が多いのに驚く。利用者は将来、高額で買い取ってもらうため、普段から丁寧に商品を扱うから傷も少なくきれいな商品が多いという。

 シェアリングエコノミーやサーキュラーエコノミー、SDGs、サステナビリティなどの意識が若い人の間で浸透しているが、ソフマップとビックカメラ、コジマによる「ラクウル」の取り組みは、そんなカルチャーとも合致している。家電量販店の新たなトレンドとして注目したい。(BCN・細田 立圭志)