◆理由3 ある日突然ブラックスワンはやってくる

株式市場には「ブラックスワン」という言葉があります。この言葉は1697年にヨーロッパで白鳥は全て白色であると信じられていた中、オーストラリアで黒い白鳥が発見され、その定説が崩れたことが由来です。

この概念は金融の世界でも使われるようになり、マーケットの予期せぬ大暴落が発生すると多くの投資家がパニックに陥り、本来売らなくても良かった株まで投げ売りしてしまう現象を指します。

残念ながら多くの投資家は、正確に「ブラックスワン」がやってくることを予測することは困難です。つまり長く投資をしていれば10年に1度は暴落はやってくるものであり、避けて通ることは不可能です。だからこそ、どんなときも無理せず継続できる投資が重要になるのです。

本来投資というものは、いかに退場しないで生き残れるのかを考えるべきです。その重要さを改めて考える機会が今回の出来事ではないでしょうか。株式市場の乱高下に惑わされず、冷静な判断を保ちながら、長期的な視野で投資を続けていくことが大切です。

<文/鈴木文太郎>

【鈴木林太郎】
金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。 米国株投資がメインなので、主に米国経済や米国企業の最新情報のお届けを心掛けています。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数
X(旧ツイッター):@usjp_economist