これらの問題によって、ユービーアイソフトの株価は一時15%近くも下落しており、世界中で不買運動、販売に反対する署名活動が行われています。

◆アジア人に対する差別感情か

 アメリカの大学入試を中心に、いま人種差別が大問題となっています。もともとは白人優遇、黒人差別が問題視され、そこからアファーマティブアクション(積極的な改善措置)が起き、今ではそこの格差が是正されたとされています。ですが、次の課題としてアジア人に対する差別感情の存在が浮上しました。

 私は、肌の色によって差別を受けた経験はありません。ですから、海の向こうで起きている「大学入試と差別」についても、対岸の火事のように受け止めていました。

 ところが、今回の『シャドウズ』によって、アジア人に対する、うっすらとした差別のような無関心を感じさせられたような気がします。

◆もっと歴史に対するリスペクトを

 ほかの地域が舞台の時はしっかり時代考証を練っているのに、日本が舞台になったとたん中身はやっつけ仕事。著作権侵害もお構いなしで、挙句の果てに日本と中国の違いすら分からない。舞台となる地域や歴史に対するリスペクトが感じられないのは私だけでしょうか?

 謝罪がほとんどないこともユーザー感情を逆撫でする一因であり、様々な選択肢をことごとく悪いほうへ進んでしまった。もはや発売中止もやむなしかと思われますが、ユーザーとアジア諸国に真摯に向き合えば、ユービーアイソフトの信頼が回復していく可能性もあるかもしれません。今後の動向に注目です。

―[貧困東大生・布施川天馬]―

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa)