直田姫奈、デビュー曲「ラベンダー・ブルー」の前日譚!2ndデジタルシングル「My Truth」リリース!5月の1stライブを振り返り、「My Truth」に込めた想いを聞いた。

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直田姫奈が7月24日にデジタルリリースする「My Truth」は、デビュー曲「ラベンダー・ブルー」の続編であり前日譚。内面に秘めたモヤモヤとした心情を表現した歌詞で、サウンドでも、そのダークな世界観を表現している。今回は、5月に開催した1stライブの感想も含めて、自身の音楽活動についても語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

ギターはいい相棒だったんだなって実感することができました

――5月に開催された1stライブは満席で、非常に盛り上がっていましたが、どんな感想を持っていますか?

直田姫奈 こんなにも緊張しないライブをしたのは人生で初めてで。1曲目に歌った「ラベンダー・ブルー」の最初だけ緊張していたんですけど、そこからは緊張もせず、伸び伸びと歌えました。でも、それができたのも、完全にホームのような空間を皆さんが作ってくださったからだなと思ったので、すごくありがたかったです。

――ホームだから緊張しなかった?

直田 今回のライブはほとんどが新曲で、初めて聴く曲ばかりなのにも関わらず、素直に音楽を楽しんでくれていたので、それを見ると私も落ち着いてきたんです。始まる前も、スタッフさんに「間違えたらやり直せばいいから、好きにやっていいよ」と言ってもらえたりしたので、リラックスできていたんだと思います。あとはやっぱり1人でステージに立っていたのではなく、後ろにリアジュボーン(柴田 尚/ds、西川 響/b、浅井 真/g)がいてくださったので、心強かったです(笑)。

――ベテランミュージシャンでもありますから、安心感が違いますよね(笑)。

直田 はい!何があっても大丈夫だろうなって思いました。

――パフォーマンス面で感じたことはありますか?

直田 ハンドマイクで歌うときとギターを弾きながら歌うときがありましたが、ギターを持っていたほうが緊張しなかったんです。リハで、ギターを持たない曲のとき、何をしたらいいんだろうとすごく悩んでいたんですね。どうやってお客さんを連れて行ったらいいのかとか、棒立ちで歌うのもなぁって思っていたんですけど、ギターを抱えていたら、弾いていなくても悩むことがなかったし、弾いているときはもっと悩むことがなかった。このライブをするまでは、ギターを弾くなんて緊張する、大丈夫かなと思っていたんですけど、いい相棒だったんだなというのを実感することができました。

――正直、ギターを持っている姿があまりに様になっていたので、ずっと持っていてもいいと思っていました。

直田 ホントですかー?リアジュボーンの柴田さんにも言われました(笑)。私自身、ギターがそんなに私に影響を与えていたんだということを知らなかったので、大きな発見でした。ギターが体の一部みたいになってきたのは、1stライブがあったからです。

――昼と夜だと、盛り上がりは違いましたか?

直田 デビューシングルのリリイベとして開催していた新曲最速試聴会で5曲を聴いていたファンの方はいたんですけど、昼公演を終えた段階で、ペンライトやコーレスをファンの人たちの中で共有して、どうにかして私のライブを1つにして盛り上げようとしてくれていたのを、あとから知りまして……。それを思うと、皆さんもスタッフさんみたいなことを客席からやってくれていたんだなと思って、ありがたい限りでした。おかげで夜の部は、より自由に声出しとかペンライトを振ってくれていたと思います。

――印象的だった曲というと?

直田 今、ライブ映像が公開されている曲でいうと「エヌ・オー」がインパクトがあったみたいです。動画を観ていると、声を入れてくれている方もいて、よくぞ、昼の部1回でできるようになったな!と思いました(笑)。「DAYDREAM BEAT」も、皆さん「ヘイ!」ってついてきてくれていて。皆さんの声が合わさっている「DAYDREAM BEAT」を聴いて、すごく元気が出ました。

――「エヌ・オー」のような変化球な曲を、初めて聴くお客さんの前で正確に届けられるというのは、すごいと思いました。

直田 ライブで歌った曲はライブ前にレコーディングしていて、この曲を一番最後に録ったんです。あと1曲残っているけど、どんな曲が来るんだろうと思っていたら、「最後にこれか〜」と思って(笑)。別ベクトルでめちゃめちゃ難しい曲が来て、どう歌えばいいんだろうってなりました。

――ある意味、ラップのようにセリフを言っている曲ですしね。ギターも結構弾いていましたね。

直田 これでギターを弾くとは思っていなくて!でもギターがあるからこそ、余計に気持ちが高ぶってヒートアップしていったというか。弾き方も荒ぶれるので楽しかったです。このライブのためにテレキャスを準備したんですけど、ライブではアンプ直で繋いでいたので、音は作り込んでいなかったんです。でも今後は、色んな曲があるぶん、色んな音でやれたら曲も変わるんじゃないかなと思っています。それもライブの醍醐味だと思うので、やっていきたいです。

――次は足元にエフェクターがたくさん置いてあるかも(笑)。これからのライブが想像できるようなライブでもあったんですね。

直田 見えてはきました。やっぱり一度やってみるもんだなと(笑)。

――ライブでは、かなりの曲数を歌いましたが、今回リリースされるのは「My Truth」だけということなんですね(笑)。

直田 そうなんです。出し惜しみしたくて(笑)。ライブで歌った曲は、ライブ前に歌だけ録り終えて、ギターをライブ後に録った、ライブ仕様みたいになっている曲もあるんですけど、レコーディングは全部終わってはいます。

――ライブ中、「ラベンダー・ブルー」は三部作になっているという話もしていて、「My Truth」は、そのうちの1曲になるんですよね。

直田 はい。早く全部語りたいところなんですけど、「My Truth」は、「ラベンダー・ブルー」より時系列的には前になるんです。「ラベンダー・ブルー」は失恋ソングで、「My Truth」は何で失恋をしたのかというのをほのめかしている曲なんですね。この曲だけ聴いて、それが伝わるかな?と思うんですけど、ところどころで、ほのめかすワードも入っているんです。

――「ラベンダー・ブルー」で出てきた“アイシャドウ”は、これのことか!ってなりますよね。あと「ラベンダー・ブルー」は言葉遊びのある歌詞でしたけど、それも引き継がれています。

直田 この2曲とライブで歌った「ばっかだな」という曲も、全部金子麻友美さんが言葉を丁寧に書いてくださっているんですけど、金子さん自身も、いつもより時間がかかっていたらしくて、難しいことを3曲ともしてくださっています。

――同じ言葉なんだけど歌詞カードを見ると、この漢字だったの!と驚くことが多かったです。

直田 耳だけで聴いていたらわからないけど、歌詞を見ると、“感情線”と“環状線”なのねとか、これをかけてくるんだとぞわっとするんです。これは本当に面白いですよね。

――“確信”と“核心”などもありましたね。

直田 その一言でちゃんと真理をついてくるワードになっているのがすごいですよね。でも、「My Truth」は、恋愛でも恋愛じゃなくても、一度は経験したことがある感情でもあると思うんですよ。真実を確かめたいけど、確かめたら自分が不幸になるかもしれない。だから確かめたくないな、っていう。そういうジレンマは、色んなところにあると思うので、それがこの子の場合は恋愛だったっていう。だからすごくもやもやした曲なんです。

――恋愛の歌詞ですが、上手くいかなそうなフラグは結構立っていますよね。

直田 全然上手くいってないんですよ。確信が核心なのでどうしようもないんですけど。しかも“あの子”というワードまで出てきて、「あの子って誰だよ!」ってなりますよね(笑)。

――この主人公自身も、彼と合っているとも思えないですし。

直田 ちょっと背伸びしているんですよね。アイシャドウだって、普段自分が使わない余所行きのカラーを使っているんです。それも彼のためだったんですけど、“初挑戦の淡いアイシャドウ”が、「ラベンダー・ブルー」で割れちゃうんですよね。つらい、切ない……(笑)。

――金子さんとは、歌詞について話されたのですか?

直田 金子さんとは出来上がってからしか会えていないんです。最初は「ラベンダー・ブルー」しかなかったので、それが出来たあとに、私が「曲と曲が繋がっているようなものを聴くのが好きなんです」とお話ししたんです。そのあとに書いてくださったのが「My Truth」で、言ってしまえば後付けかもしれないんですけど、それがすごいんですよ!

――「ラベンダー・ブルー」のときからストーリーが頭にあって、そこだけを切り取っていたということなんでしょうね。

直田 多分そうですよね。金子さんの中でしかなかった真実を出していただいた感じがします。でも、私にとっても斜め上の過去が出てきたというか(笑)。私はもうちょっと爽やかで、こんなドロドロしたものは想像していなかったんです。だから、そんな過去を秘めている子だったのね!と驚きました。ただの失恋ではなかったので。

――曲調的にもドロドロしたところはありますよね。アコギやベースの低音がえぐってくる感じですし。

直田 そうなんですよ!しかも1番から2番に簡単にいかないというか。言葉だけでなく、音楽でもこの子のぐるぐるした心情が表れているのが、すごく面白いなと思いました。だから間奏部分がすごくかっこ良かったです。

――1番のBメロ辺りで、かなりダークな雰囲気が出ていますよね。

直田 そこは出しました(笑)。歌も、きれいに音階を切って歌うよりも、なるべく繋げて歌いたいと思って、それは意識して歌っているんです。私、言葉をしっかりとパキパキと歌うことが多いんですけど、ここは1本繋げて歌いたいと思ったんです。

――あえて滑舌を悪くというのがロックっぽいですよね。おっしゃるとおりに1番と2番が同じではなくて、2番ではAメロのあとに間奏が入るような構成でした。

直田 本当に、型にはまっていない曲ですよね。だから1番のBメロは一度のみなんです。ここの間奏も、私はギターを弾いていないんですけど、難しそうだなって思いました。全部がバラバラに聴こえるんですよね。拍子も変わっているし、何が本当の拍子を刻んでいるんだろう?となっていました。で、そこからBメロとは違うメロディになるんですけど、“断れない理”の入りがすごく難しいんですよ(笑)。ここは騙されやすいから、歌ってみたら、ズコーってなると思います。ここもまさに、彼女の心情を楽器で表しているところなので、すごく好きなポイントです。

――不穏な感じが、心情に寄り添っていますよね。

直田 そうですね。ずっと不穏で終えたい曲です。

――ここまでの過去があると、「ラベンダー・ブルー」って、実はだいぶ明るくなっていたんだなと思いました。

直田 もうだいぶ吹っ切れているというか、自分を俯瞰して見れるくらいの心にはなっているんですよね。だからこそ切なさも出ているんですけど。前を向きたいと思っているんだろうなって思うと、余計にグッとくるというか。

――結構、まだ引きずっていましたしね(笑)。

直田 そう!ちゃんと引きずっているんですよ。

――それが曲が繋がる面白さですよね。「My Truth」を聴いて「ラベンダー・ブルー」を聴くと、また違って聴こえますし。

直田 謎を解かれた〜って思いますよね。あと、リリックビデオを見たら余計につらい!ってなると思います。“あの子”が出てくるんですよ!自分とは真逆なタイプの女の子だったから、あれ〜?みたいな。だから私は、このリリックビデオを観たとき、つらさが増しました(笑)。本当に1つのドラマを観ているような気持ちになりました。

――確かにつらいかもしれない(笑)。

直田 皆さん色んな世界を想像されていると思うので、これも1つのイメージになったらなと思います。皆さんが思い描く世界もあると思うので、それはそれで大事に楽しんでほしいです。

――ライブで聴いたきりですが、「ばっかだな」もありますしね!

直田 楽しみにしていてほしいです。ライブで聴いただけだと歌詞もわからないと思うんですけど、リリースされたらしっかり歌詞を見ていただきたいです。「ラベンダー・ブルー」よりもさらにあとの未来の自分が、思い出している感じの曲なので、心情も変わっていたりするんです。完璧に吹っ切れたあとだと思うので、早く彼女の成長を見てほしい!

――また言葉遊びもしているかもしれないから、こうだと思ったら、全然漢字が違っていたということもありそうです。

直田 そうかもしれないですね。この2曲を経ての総集編みたいな感じで、たくさんこの2曲に出てきたワードが散りばめられているし、ラベンダーというところでカラーを表現していましたけど、色もまた出てきたりするんです。あと、私たちの中では「ヤバい曲」と言っていて、私も、聴いたときの感想が「ヤバい!」だったので、楽しみにしていてほしいです(笑)。

――ちなみに「My Truth」で、エレキギターを弾いていたそうですが、これはライブで使っていたテレキャスを使用したのですか?

直田 テレキャスを使いましたし、エレキはこの曲で初めて弾きました。特にサビでガッツリ弾いていて、この曲はギター単体で弾くとそんなに難しくないんです。でも、歌と合わせると難しかったですよ!レコーディングは、難なく録れたんですけど、ライブで歌いながら弾くとなると難しい……。やっぱり歌が大事なので、ライブ仕様で弾くという選択肢もあったんですけど、それをすると、ここにギターが入っている良さが消えちゃうと思ったから、結構密かに練習しました(笑)。

――どんなところが難しかったのですか?

直田 歌では休符が入ってないけど、ギターは休符を大事にしなければいけない譜面だったんですね。その休符感は必ず出したくて。“ミュートして”とか“見落として”のところなんですけど、そこは歌と合わさるのが難しかったです。

――でも、プロでもみんな練習していますからね。

直田 ライブで、苦戦してそうだなって見えていなかったら嬉しいです。

――これからもレコーディングではギターを入れていくんですよね?

直田 レコーディングした曲は全曲、私のギターが入っているんです。ライブで弾いても、レコーディングまで参加する声優アーティストってなかなか聴いたことがないと思うんですけど、それをやらせてもらえているのはなかなかないと思うので、ありがたいです。

――ライブで歌いながら弾くというのも、これまであまりやってきてないことですよね?

直田 アコギの弾き語りはやってきたんですけど、ひとりで弾くから、好き勝手できていたところがあるんです。バンドの皆さんと合わせるとなると、守るところは守ってというのをちゃんとしなければいけないから、全然違いました。今は、決められた楽譜で弾くということをずっとしてきているので、1つ越えた先に、もう少し自由にできるところがあると思うんです。だから、そうなりたいと思っています。もう少し肩の力を抜いて、もっともっと4人で楽しいバンドにできたら楽しいだろうな〜って思っています。

――今後、直田姫奈としての音楽活動のどんなことを楽しみにしていてほしいですか?

直田 まずは三部作の最後の曲も楽しみに待っていてほしいですし、ライブのために作った9曲を、一度のライブで終わらせるのはもったいないので、またライブがしたいです。一度ライブをやって、みんなも「もっとこうしたかったな」っていうのがあると思うんです。それをぶつけられるようなライブができたらと思います。だから楽曲をリリースしてのライブが、今一番やりたいことですね。1stライブは、まだまだ手探りなところが多かったけど、それをやったことで具体的にどうすればいいのかが見えたので、より自分の音楽の世界をバチコン!と表現していきたいです。

●リリース情報
配信シングル
「My Truth」

作詞:金子麻友美 作曲:西川 響 編曲:リアジュボーン
配信中

各配信サイトはこちら
https://sugutahina.lnk.to/MyTruth

関連リンク

直田姫奈 公式サイト
https://columbia.jp/sugutahina/

直田姫奈 音楽スタッフ公式X
https://x.com/staff_hina

直田姫奈 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCaWiEt8aCY9uoNLvHdfdDlg