大阪・大東市で、日曜の朝5時〜12時ぐらいまで開催されている「日曜朝市」は、現地感あふれるディープな市場。

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大阪・大東市の「中国朝市」(正式名称は「日曜朝市」)が最近、若者に人気という。朝5時頃から屋台が並び、現地感まる出しの料理や食材が売られるガチな中華マルシェだ。

筆者は中国好きなのでもう20年前くらいにこの市を発見し、その後も思い出した頃に行っている。最初は日本人もおらず言葉も通じなかったが、ここ数年でメディアにも取り上げられるようになり、日本人の女子グループやカップルなどが観光気分で訪れるように。

それに伴って日本語メニューも用意されたり、日本語ができるスタッフが増えたりと、向こうも歩み寄ってくれている。

日曜朝市はもともと、『華龍食品』という中国貿易会社が営むスーパーが約25年前に同胞のために始めた。今も創始者の親族である上條親子が市を切り盛りし、息子の上條裕基さんが現場に立つので、困ったことがあったら上條さんを探せば良い。

●この動線で攻めれば失敗しない



初めて訪れる人は、その活気と中国人のパワーに気圧され何をどう買って良いか分からず途方に暮れるかもしれない。そんな人にモデルコースをご案内したい。

構造としては、中央のメイン屋台に「豆腐脳」「豆乳」「油条」「麻花」、向かって右側に「肉入り揚げパイ」「トウモロコシパン」「ちまき」、左側に「肉まん」「中国式クレープ」「腸詰」という配置。興奮して目についたものを爆食いしてしまうとたちまち満腹になってしまうので、「持ち帰れるものはテイクアウトする」という計画性をもって臨むことが大事。

例えば、肉まん系、腸詰、揚げパイ系、ちまき、パンなどは家で温め直して食べても良い。逆にすぐに食べたいものは、「豆腐脳」「油条」「中国式クレープ」ぐらいだろうか。

一つ先に言っておきたいのは、イートインスペースがあるが席を先に確保しておかないとフードを買っても所在がなくなってしまうこと。あと、その辺に置いてある白いトレーは勝手に使ってもOK。油条なんかもみんなそのまま載せている。

オススメの動線としてはこんな感じだ。

1.まずイートインスペースの席を確保する

2.右側の焼餅やパンを購入する

3.中央の屋台に並び、油条、豆腐脳、麻花を購入し、一旦席に置く

4.左側の肉まん、腸詰、中国式クレープを購入する

5.豆腐脳と油条を食べる。他はお腹に余裕があれば食べて、残りは持ち帰りに

6.最後に『華龍食品』店内で酒アテ用の肉加工品を買い込む

「豆腐脳」は中国でもポピュラーな朝食だ。豆腐を浮かべたスープで、プレーンと麻辣味がある。アッツアツの「油条」を浸して食べると、塩気のある生地に豆腐スープが染み込んで、サクサクでオイリー、ヘルシーなのか背徳的なのか分からない旨さである。

「中国式クレープ」はなかなかのボリュームなので覚悟が必要。目の前で生地を焼き、玉子をのせ、キャベツ、魚肉ソーセージ、ちぎった「油条」などを重ねて包んで辛いソースをトッピングしたものだ。残ったら持ち帰れるが、家で温め直すと臨場感が半減するのか、あまり感動が蘇らない。

意外と気づかれない場所(建物の横)に、羊肉串のおばさんがいる。炭で羊肉を焼き上げ、クミンや唐辛子をかけた、中国東北スタイルの串だ。ビールに合うので、テイクアウトして夜のつまみにするのも良いだろう。

●店内にもガチな中国食材&肉加工品がわんさか



ひとしきり食べ終わったら買い物モードに突入。『華龍食品』の店内テーブルには、鶏や豚や鴨やアヒルなどの肉加工品がぎっしり並べられインパクト大。これも買い方が難しいが、だいたい100gあたりの値段が下に書かれているので、指差してグラム数を伝えれば何とかなる。サラミ、腸詰、ハチノス煮込み……と、これも酒アテになる惣菜ばかり。

「日曜朝市」はその名の通り日曜のみ、朝5時〜12時ぐらいまで開催しているが、10時過ぎると食べ物も品物も売り切れているものが多いので、7〜8時に訪れるのがベスト。電車でのアクセスが難しい場所にあるが、実は大阪シティバスの36号が非常に便利で、大阪駅から約50分乗車して「安田」下車すぐ。210円で行ける。相当な豪雨でも開催しているたくましさが素晴らしい。

『日曜朝市』

住所/大阪府大東市諸福8-5-18(『華龍食品』) 

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。

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