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熊本市動植物園で、子どもたちの人気を呼んでいる展示とは…?

【写真を見る】家に昆虫1000匹以上!?「虫を見つめて焼酎3杯いける」ほどの愛で“人気展示ブース”を生んだ 『カブトムシ・クワガタ』が好きすぎる熊本の昆虫おじさん

熊本市動植物園飼育員 松成忠成さん「60種類ぐらい いるかな?ほとんど外国のカブトムシとクワガタですね」

虫カゴの中には、世界最大級の「ヘラクレスオオカブト」や、3本の長いツノが特徴の「コーカサスオオカブト」など、世界のさまざまなクワガタムシやカブトムシが展示されています。

松成さん「鳴くカブトムシもいる!鳴いた瞬間、おしりが動くでしょ。羽の内側、背中のところにギザギザがあって、羽を擦り合わせて鳴いている」

ジーと鳴くのは、フィリピンに生息する「ケブカヒメカブト」です。

このたくさんのカブトムシやクワガタムシ。実は、飼育員の松成さんが始めた展示なのです。

「子どもたちに見てもらいたい」自ら展示ブースを制作

松成さん「3LDKのマンションに一番飼っていた時は、1000匹ぐらいいましたね!嫁さんに『なんとかして』と言われて、せっかくだから動植物園で展示してくれないかなと」

娘のカブトムシ採集がきっかけで昆虫飼育に熱が入った松成さん、気がつくと家で1000匹以上飼っていました。

「子どもたちに見てもらいたい」という想いから、熊本市の職員だった松成さんは、動植物園へ異動希望を提出、自ら展示ブースを作ってしまいました。

イベントではその知識を披露し、今やたくさんの子どもが集まる場に。

松成さん「おかげさまで天職ですよ!大好きなことをできるし、子どもたちには喜ばれるし」

松成さんの担当は、もちろん昆虫。餌やりと虫カゴの清掃から1日が始まります。

松成さん「全部やっちゃうと2時間ぐらいかかるんですよね。でも毎日、健康管理。弱っていたなとおもったら、暖かい部屋に置くとか、涼しい部屋に置くとか」

愛情込めて「世界の昆虫」をお世話する松成さんに、素人の人によく見られる “NGな飼育方法” について聞いてみました。

実はNG!やってはいけない飼育方法

実は、よく見られる飼育方法でやってはいけないことがあるそう。

①スイカやきゅうりなどを与える

松成さん「子どもの頃は、スイカや果物を与えていたら大丈夫と言われていたけど、スイカやきゅうりは絶対やっちゃダメです!必ず昆虫ゼリーをあげてください。味はあまりしないです、昆虫用だから…僕も食べてみたことあるんですけど(笑)」

松成さんによると、昆虫がスイカや果物を食べると、下痢をして脱水症状になる恐れがあるそう。※諸説あり

必ず昆虫の餌は「昆虫ゼリー」を与えるようにしてください。ただし、よい子のみなさんは、くれぐれも味見をしないようにしてくださいね。

また、②霧吹きで湿度を保つ。そして③土ではなく、おがくずを敷くことでダニから虫を守ることができます。

そして④ウッドチップを入れるのがポイント。

松成さん「カブトムシやクワガタは、意外とひっくり返る。ひっくり返ったら、中々起きられない。ウッドチップがあると、つかまって起きられる。必ず入れておいたほうが良い」

他にも⑤一匹ずつ虫かごに入れて飼うこと、虫同士が喧嘩しないストレスの少ない環境が大切です。

松成さん「なんだかんだ、これをやっている時が一番楽しいんです。家にいたとしたら…こうやってウッドチップに虫を乗せて、これで焼酎3杯は飲めます!バッチリです!!3匹いたら9杯いける!!」

その後、研究室で幼虫のお世話です。なんと天然記念物のクワガタがいるとか!?

台湾の天然記念物が、初めて地上へ

松成さんがお世話している幼虫を見せてくれました。「アクティオンゾウカブト」の幼虫です。

ディレクター「うわ、でけ!!伊勢海老のしっぽみたいな」

そして卵を産むクワガタのための環境づくりを行います。

松成さん「(昆虫を見て)可愛いっすね!」

この日、台湾の天然記念物となっている貴重なクワガタ「シェンクリングオオクワガタ」が成虫となりました。

はじめて地上へ出てきた彼を出迎えます。

松成さん「んおお!イケメンですね、やっぱかっこいいな、うふふ♪やったー!!自分で育ててやったーとか言って♪」

カブト ・クワガタを愛する58歳の松成さん、定年退職を見据え、最近は若手の飼育員に標本作りなど、技術や知識の引き継ぎをおこなっています。

飼育員 村粼太久也さん「まだまだ、松成さんには勝てないですけどね!もう…(村松さんの昆虫愛が)異次元です!」

松成さん「生き物の技術継承は重要なことで、どんどん引き継いでいって。次世代どころか、その次まで考えて、後継者が動いてくれたら思い残すこともないですね」

ーー辞めた後もちょこちょこ会いに来そうですけど?

松成さん「多分来るでしょうね!たまにはちょっと貸してよって、家で焼酎飲むからと、家に持って帰るかもしれない(笑)」