町田キャプテン昌子源【写真:徳原隆元】

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試合後に「勝つこと」の必要性を説いた

 首位FC町田ゼルビアは6月26日、J1リーグ第20節で4位ヴィッセル神戸と対戦し、0-0で引き分けた。

 緊迫の上位対決は互いに決め手を欠き、勝ち点を分け合う結果となった。試合後、町田の主将DF昌子源は試合後に約9分間、チームの課題を指摘する厳しい言葉を並べた。

「僕らが首位にいるのが不思議な試合だった」

 試合後の取材エリア、昌子は危機感を持って、神戸との一戦を振り返っていた。なかなか両チームとも決定機を作り出すことが出来ないまま締まった展開でスタート。だが、町田はチャンスを作り出せず、神戸の攻撃を受けるようなシーンが多く見られた。0-0で前半を折り返すと、ハーフタイムには黒田剛監督と主将から「こんなんじゃダメだ!」と厳しい声が飛んだという。

 後半からは町田のペースになる時間帯もあったものの、最後までゴールを割ることはできず。結果的に無失点で勝ち点1を積んだことはポジティブにも見えた。だが、鹿島アントラーズやガンバ大阪などタイトルを獲得するようなクラブでプレーしてきた昌子の目にはそう映らなかった。

「傍から見たらちょっと負けてもおかしくない試合をやっぱり勝っていかないと。いいんですよ、オウンゴールでもぽろっとしたゴールでもカッコ悪くても。でもそれでもシュート打って泥臭く戦って、勝ちを自分たちに持ってこないと。相手の2枚のセンターバックが強いから、勝てない、競らないじゃなくて、競る。僕らだってやらせないためにゴール前で身体張っているから。そういうのをまずやらないと。それがプロの監督が求めることやし、町田が勝ってきた1つの理由。誰もさぼらない。だから僕は前半は絶対違う。それで、ちょっとハーフタイムには言わせてもらいました」

 町田は怪我人が相次ぐ厳しい台所事情。この日は特別指定の東海大21歳FW桑山侃士を途中から起用するなど、若手も奮闘している。それでも、昌子は「怪我人なんて言い訳」といい、「長年Jリーグで上にいるチームはこういう試合で勝っている。絶対。だから上にいるし、ずっとJ1で戦えている」と気持ちを前面に出してゴールを奪いに行く姿勢が大事かを説いた。

 試合後も声を荒げるシーンがあったという。「とにかく勝っていくこと。やっぱりこのチームにはまず必要なこと」。そのためには、ロングボールに頼らず、ボールを保持して組み立てる展開に持ち込むことも挑戦しなければいけない。「どんどん自分たちも成長していかないといけない。『無理だ、無理だ、やっぱり受けちゃおう』じゃもう先がない。そういうとこでもトライをすることは絶対やめてはいけない」。次は3位のガンバ大阪と対戦する。2戦連続のスコアレスドローを受け、次節は町田の真価が問われる一戦となりそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)