祭りの参加者ら。このあと、「一同、礼」の発声に合わせて頭を下げる=長野県岡谷市と塩尻市境の塩嶺御野立公園で2024年6月24日午前10時、宮坂一則撮影

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 長野県の岡谷、塩尻両市境の塩尻(塩嶺)峠で24日午前10時、日本で一番短い祭りとされる「塩嶺御野立(えんれいおのだち)記念祭春季例祭」が行われた。明治天皇巡幸記念碑の前で参加者らが姿勢を正し、「一同、礼」の発声で頭を下げ、祭りは20秒で終了した。

【写真】20秒の間の別カット

 例祭は明治天皇が1880(明治13)年6月24日に、昭和天皇が1947(昭和22)年10月14日に塩尻峠を訪れたことを記念。春季(6月)は岡谷市、秋季(10月)は塩尻市の当番制で開いている。

 梅雨の晴れ間となった24日は塩嶺御野立公園の深緑から差し込む木漏れ日の下で行われ、両市の行政、市議会、各種団体関係者ら過去10年で最多の150人が参列した。

 初めて春季例祭に臨んだ岡谷市の早出一真市長は「明治天皇の巡幸に思いをはせ、両市の友好関係をしっかりと築きたい」、塩尻市の百瀬敬市長は「歴史あるお祭りであり、未来につないでいくのが私どもの大きな仕事」と話し、両市の一層の友好と発展につなげることを誓っていた。

 一帯は標高1000メートルを超える高地にあり、森の小鳥のさえずりは「日本音風景百選」に認定されている。展望台からは諏訪湖や周辺の街並み、八ケ岳、日本3高峰の富士山、南アルプス北岳、北アルプス奥穂高岳や、御嶽山を望む絶景が広がり、「関東の富士見百景」に選ばれるなど人気のスポットになっている。【宮坂一則】