「完全復活ではない」木村拓哉 騒動後初の主演ドラマは好調も業界内で「期待しすぎ」の声が上がるワケ

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旧ジャニーズ騒動以降、初の主演ドラマは安定した高い視聴率を残して幕を閉じた。4月25日からスタートした木村拓哉(51)主演のテレビ朝日開局65周年記念ドラマ『Believe-君にかける橋-』が今月20日に最終回を迎えた。

「本作は、無実の罪で実刑判決を受けたキムタク演じる主人公の土木設計部部長・狩山陸が、刑務所を脱走し、事実を明らかにするために奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。初回の世帯平均視聴率(関東地区、以下同)は11.7%を記録し、今期の民放連続ドラマでトップの好スタートを切りました。その後も今期ドラマの民放世帯視聴率では、2位という安定した高視聴率を残した。改めてキムタク人気の高さと、役者としての実力を証明しました」(テレビ誌ライター)

旧ジャニーズ事務所の性加害騒動の際は、事務所の会見後に自身のSNSに「show must go on!」と投稿し、フォロワーが激減するなど炎上したキムタク。今回のドラマの結果が“スター”としての人気復活の兆しとなるか。キー局のドラマ制作プロデューサーが明かす。

「ストーリー構成が最近のトレンドとマッチしていて、『期待以上に面白い作品』だったと思いますね。キムタクがいままで演じてきた役は『頼りがいのあるカッコいい男』が多かったのですが、今作では、天海祐希さんが年上の妻役ということもあり、どこか頼りない夫を演じる必要がありました。今までにないキャラクターでしたが、そこを丁寧かつ自然に演じていて、年齢を重ねたことで演技に深みと幅が出てきたように感じましたね」

そんな好調だったドラマを受け、キムタクの業界内の評判もすっかり復活した印象だ。しかし、一部では「判断は早いのでは?」との声も上がっている。

あるテレビ朝日関係者が語る。

「今回のドラマは、テレビ朝日の65周年記念ドラマということもあり、1話あたりに、かなり莫大な制作費をかけています。木村さんが過去に主演を務めた人気ドラマ『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)を手がけたチームが再集結し、脚本はドラマ『白い巨塔』(フジテレビ系)やドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系)などを手がけた井上由美子(63)が務めた。さらには天海祐希(56)や斎藤工(42)、竹内涼真(31)、山本舞香(26)など幅広い世代の豪華俳優陣が集結したということもあり、放送前から注目度はナンバーワンでした。スタッフ・俳優陣を見ても、高視聴率は当たり前だろうという空気が流れていましたね。

ここまで豪華な役者が揃ったのは、共演者からの評判が高い木村さんが主役だったことも大きいと思います。しかし結局のところは、初回・最終回以外は数字が振るわず、ヒットしたともいえない中途半端な視聴率で終わってしまいました。木村さんだけのせいではないですが、以前までの人気があればもっと視聴率が取れていたのではないかと思ってしまいます。まだまだ完全復活とは言えないでしょうね」

そんな中、関係者の不安をよそに、キムタクにかける業界内の期待は大きくなっている。今冬には、『グランメゾン東京』(TBS系)のスペシャルドラマが放送予定で、さらに映画公開も発表された。

「’19年にTBSの『日曜劇場』で放送され、平均世帯視聴率12.9%(関東地区)を記録した大人気ドラマの続編です。パリで大規模なロケも実施しているようで、かなり気合が入っています。しかし、5年前の作品ということもあり、キムタクの人気低迷や、視聴者の熱が冷めてしまっているのではないかという不安要素もあるみたいですね。すでに局内からは『勇み足すぎる。スペシャルドラマで様子を見てからでもよかったのに』なんて、声が上がる始末。今のキムタクに過剰な期待をかける上層部の姿勢に、懐疑的な声も上がっているみたいですよ」(芸能プロ関係者)

今回のドラマ『Believe-君にかける橋-』は、“キムタク復活”の足掛かりとはなったが、前出した理由のように完全復活はしていない。『グランメゾン東京』は高視聴率ドラマの続編ということで、期待はかなり高いが、爆死となるといよいよキムタクのキャリアが危ないのではと、前出の芸能プロ関係者は言う。

「やはり、いまだに性加害問題の対応への疑問の声も根強いですから、キャリアは傷ついたままだと思いますね。今回の連ドラでは大爆死することなく存在感を残しましたけど、次の『グランメゾン東京』でも、失敗は許されない状況だと思います。本場パリまで行き、大規模なロケを行っている訳ですから、ここで大コケでもしたら、他局もキムタクのキャスティングに躊躇してしまいますよね。ドラマの主演オファーが当分来ないなんて可能性もゼロではない。完全復活か、それとも業界から消えてしまうのか……キムタクの真価が問われることになるでしょう」

完全復活へ、正念場はまだまだ続きそうだ。