「ビートたけし」こと北野武

 6月19日、大手通販サイト「Amazon」の子会社である配給会社「Amazon MGMスタジオ」は、北野武(ビートたけし)が監督、脚本、主演を務める新作映画の製作を発表した。

 北野の映画は、2023年11月公開された『首』以来となる。

 新作映画の制作発表と同時に、同社からは北野本人のものとして、下記のコメントが発表された。

《映画を撮り始めて数十年が経ちましたが、各国で映画製作をしているAmazon MGMスタジオとタッグを組むのは自分自身にとっても新たな挑戦でわくわくしています。現在鋭意制作中なので、続報にご期待ください》

 しかし、この内容に対して、SNS上には“違和感”を訴える声が続出しているのだ。

《北野武がそんなこと言う?》

《たけしがこんなつまらない言葉を発したのか》

《絶対に言ってなくておもしろい》

《日本支社内に「たけしはこんなこと言わない」と声をあげる人はいなかったのか》

《これ本当にたけしの言葉なのか?全然想像できない》

 北野といえば、「表彰」などと称して、相手をチクリとイジる「スピーチ芸」でも知られている。

 過去には、2019年4月におこなわれた式典「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」でも、安倍晋三首相(ともに当時)らを前にして、「天皇陛下がご覧になった映画が、不届き者を2人も出した『アウトレイジ3』ではないということを祈るばかりです」と自虐ネタを盛り込むなど、ボケ倒しを見せていたのだが……。

「近年は真面目な発言が増えています。2023年5月の米映画誌のインタビュー取材では、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題について持論を展開。

 ボケやユーモアをいっさい封印して、『こうした話は(業界内に)ずっとあった』『(日本の芸能界は)タレントを奴隷のように扱い、それが今日まで続いている』と猛批判を展開したのです。

 いつもユーモア混じりに話す『ビートたけし』のイメージとは違った内容に、日本でも大きな話題になりました」(芸能記者)

 2019年6月に前妻と協議離婚し、2020年2月には、通称「ゴンちゃん」で知られている現在の妻との再婚が明らかになった。その頃から、北野の周辺では変化が起こり始めている。

 北野が審査委員長を務め、毎年のように「スピーチ芸」も見せていた「東京スポーツ映画大賞」も2019年をもって中止となっており、その理由が「北野が東スポに“断交”を通告した」ためだと、2020年1月に本誌は報じた。

「テレビ出演でも、2022年3月に『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)のレギュラーから降板。2024年3月には『奇跡体験! アンビリバボー』(フジテレビ系)のストーリーテラー役から降板するなど、徐々にビートたけしとしての“終活”を進めてきています。

 近年はもっぱらアートや映像などの創作活動に力を入れており、『首』が公開されて半年もたたないうちから、同映画のスタッフを集めて、映画製作を進めているとの噂も業界内では流れていました。

 昨年、久々に放送されたフジテレビ系の『27時間テレビ』では、北野さん扮するキャラクター・火薬田ドンが登場していました。しかし、今年の『27時間テレビ』でその姿がなかったら……いよいよ、“ビートたけし色”は消えていくことになるでしょう」(同前)

 霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコの『新しいカギ』(フジテレビ系)の出演3組が総合司会を務め、7月20日〜21日に放送される『27時間テレビ』。

 そこに「ビートたけし」の姿はあるのか――。