この記事をまとめると

■最近のカーエアコンはとんでもなく進化している

■一部車種では花粉やPM2.5をシャットアウトするフィルターを搭載する

■スマホで車外からの操作や予約ができるものもある

驚くべきカーエアコンの最新機能

 普段、何気なく使っているカーエアコン。暑いときには冷たい風が出て、寒いときには暖かい風が出るだけ、と思っている人もいるかもしれませんが、最近のカーエアコンはとんでもなく進化していました。じつは、外を歩いているよりも家のなかにいるよりも、車内で過ごしているほうがきれいな空気を吸うことができ、移動しているうちに刻々と変わる太陽の向きなどを考慮してくれる機能まで登場しているんです。今回はそんな、驚くべきカーエアコンの最新機能をご紹介します。

 まずひとつめは、ホコリやチリといった不純物だけでなく、花粉を始め黄砂やPM2.5、ウイルスまでも車内に侵入することを防いでくれる、高性能フィルターが続々と搭載されるようになっていることです。

 トヨタ・アクアでは花粉除去機能がついたクリーンエアフィルターが搭載され、ホンダ・フィットではPM2.5に対応した高性能フィルターが全車標準装備されています。こうしたコンパクトカーにも搭載されているというのは、毎日乗る人が多いクルマだけにうれしいことではないでしょうか。

 ふたつめは、抗菌・防カビ・脱臭といった機能です。これはトヨタ車に搭載されていることが多い「ナノイーX」、ホンダ車に多い「プラズマクラスター」といった装備によってイオンが発生し、エアコンの風にのって車内にゆきわたることで効果がアップ。

 また、エアコンフィルターそのものにも、活性炭などで脱臭機能が備わってることもあります。車内で飲食をすることが多かったり、喫煙をする人にはとてもうれしい機能ですね。

 3つめは、太陽光が差し込む向きが変わったり、トンネルに入ったり、走って移動するクルマならではの悩みとなるのが、同じ温度設定にしていても座る場所によって暑い・寒いといった差が出てしまうことですね。

 多くのクルマでは、左右独立温度調整機能を搭載して、その悩みを解決していましたが、最新技術では温度感知センサーが各席の乗員の状態を検知することで、エアコンやシートヒーターなどの制御によってその人に適した状態を提供してくれるという、レクサスの「クライメイトコンシェルジュ」に代表される機能が登場しています。

 太陽の向きだけでなく、暑がりな人や運動した直後の人など、乗員の状態を察して調整してくれるのがすごいですよね。

カーライフをより充実したものとしてくれる最新カーエアコン

 4つめは、BMWのエアコンに搭載されている「パーキングベンチレーション」。これは、停車中に即時もしくは設定した時間になると30分間の車内の換気が自動で行われるという機能です。ディスプレイのメニューから、ふたつの時間でタイマー設定が可能です。

 たとえば駐車してどこかへ出かけ、戻ってくる時間の30分前からこのパーキングベンチレーションを作動させておくと、走り出してからのエアコンの利きが少しよくなるとか、湿気が多い日なら車内の曇りが取れやすくなっているとか、そういった使い方ができます。実際のユーザーに聞くところによると、あまりに猛暑の日にはさすがにほとんど効果は感じないそうですが、出かけている間に車内の換気をしておきたい、という人には便利ではないでしょうか。

 5つめは、コネクテッド機能が使える多くのクルマでできるようになっている、スマホなどを使った外部からのエアコン作動機能です。そのメーカー専用のアプリをダウンロードしておくと、出かける前から先にエアコンを作動させておいて、乗ってすぐから快適な車内で走ることができるので、真夏や真冬にはとくに助かる機能ですね。

 メーカーによっては時間の予約というタイマー機能もあります。すでにホンダN-BOXでも乗車前からのエアコン作動操作ができますので、軽自動車でもどんどん使えるようになっていくと思います。

 ということで、車内を適切な温度にしてくれるだけでなく、健康に悪影響を及ぼすものをカットしてくれたり、不快な要素を取り除いてくれたり、驚きの進化を遂げているカーエアコン。賢く使って、カーライフをより快適にしたいですね。