・運転席のパワーウィンドウが締まりきらなくなった⇒修理
・トランクに雨水がたまる⇒修理

 約4年にわたってW169を維持する様子を見てきましたが、エンジンや変速機が壊れるといった不具合はありませんでした。直した部分は、「窓が締まりきらない」とか「雨漏り」といった程度であります。

 こういった不具合は、日本車ではあまり聞かないため、「やはり輸入車ならでは」と思う一方、「修理代がすごく高い」というわけではありません。仮に総額30万円で買ったならば、修理代7万円を足したとしても、総額37万円で乗れてしまうため、「安物買いの銭失い」とはいえないでしょう。

◆ベンツの維持費−Eクラス(W211)

 次に、W211のE320CDIワゴンを2年維持しているのですが、2年で約3万km走行してかかった維持費(車検代等の費用以外に発生した整備代)は、約25万円といったところでした。

 総額70万円で買ったため、修理代を入れても100万円以内で収まっている計算です。

 CDIはディーゼルターボのため、0-100km加速は約7秒という速さ。どれでも燃料代が安く済みます。また、ハイブリッド車とは異なり、飛ばしても燃費が良いのです。修理代がかかったとはいえ、総額100万円程度でこのようなクルマに乗ることができるというのは、とても良い選択だと思います。

<25万円の内訳>
・ターボ関連部品が壊れて、ターボ効かない状態
・リアのエアサスが駄目で交換(左右)

 上記不具合は、買った直後に起こったのですが、それ以来約3万km、不具合はありません。オイル交換(5000kmに1度)以外はノーメンテナンス状態ですが、約17年前のベンツを「2年で3万km走行」という使い方をしても壊れる気配はありません。

 W211の後期は、特に維持費が安価といわれていますが、E320CDIの経験からしても、それは事実だと思います。なお、W211は、W140世代のように、各ゴムブッシュといった消耗品を交換しなくても「快適」と思える乗り味であるため、結果的にかかるお金が安価なのだと思います。

◆壊れないベンツの特徴をまとめてみた

 つまり、ベンツは年式と車種をうまく選べば、「買った後に大金がかかった」とはならないといえます。ですから、激安ベンツだとしても、車種と年式によっては「安物買いの銭失い」とならず、「おおいにありな選択」といえるのです。私の経験から「壊れづらいベンツ」の特徴と注意点をお伝えしたいと思います。

<AT>
・電子制御5速以降(特に2000年頃から)は、そこまで壊れない(ただし、2002年前後ぐらいの年式では、ラジエターからの水漏れにより、ATが破損する心配あり)
・W169型Aクラス、W245型BクラスのCVTは、そこまで恐れることはない。特に後期型(2008年〜)のCVTは壊れづらくなっているという話を聞く。

<エンジン>
・激安価格で売られている世代のV6(M112)は、あまり壊れないが、ヘッドカバー部分からのオイル漏れが多い。ただし、その部分のオイル漏れ修理は、そこまで高い代金がかからないといえる。(筆者は約5万円で修理した経験あり)
・M112の1つ後世代のV6(M272)は、2009年以降が無難。(エンジンのバランスシャフトに不具合があり、交換すると30万円程度の予算が必要。2009年以降の個体は新車時から対策済みといわれている。)

<注意点>
・コンプレッサー付きエンジンは、壊れた場合はアッセンブリーごと交換。部品代がものすごく高価となるため、廃車にする人が多い。

◆総額50万円以下の「おすすめ激安ベンツ」

 上記のポイントを考慮すると、おすすめといえる激安ベンツ(総額50万円以下)は以下のようになります。

・W169 Aクラス A180
・W245 Bクラス B180