世界よ、これが「くら寿司」だ! ライバルにない独自性を「グローバル旗艦店 銀座」で垣間見た
回転寿司大手の「くら寿司」が、ぶっとんだ偉業を成し遂げました。それは日本屈指の一等地である銀座にニューオープンした、エンタメ性あふれる特別店舗「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」のこと。同社はいったい何を考えているのか。発表会レポートの形で解説します。
OK、ユニクロ、ダイソーが入った銀座のビルに仲間入り
「くら寿司グローバル旗艦店」は、通常の「くら寿司」とは異なる内装や空間演出が特徴的。日本では現在6つ、また海外では1店舗だけ台湾のカオシュン(高雄)で展開されており、今後の拡大も予想されます。
その位置付けは、和の文化を世界に発信するジャパンカルチャー拠点。木目を生かした内装デザインと、遊び心あふれる仕掛けが二大特徴となっており、それぞれの店で独自のユニークなコンテンツが盛り込まれています。
そして2024年5月、日本国内の最新店舗としてオープンしたのが「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」。やはりこちらにも個性的な特徴が設けられているのですが、それらを語る前に触れておきたいのが、同店が入っている建物です。それは「マロニエゲート銀座2」なのですが、ピンと来た人はご名答。ここは各業界の良コスパブランドが入っている、いわば“お得の聖地”なのです。
3つの屋台で調理を見せつつ提供
あらためて、「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」とはどんなお店なのかに迫っていきましょう。ここならではの特徴は、歌川広重による江戸の風景画「東都名所高輪廿六夜待遊興之図」をモチーフにした「くら小江戸」という屋台スペース(冒頭の写真)。この浮世絵に描かれている、寿司、天ぷら、団子の各屋台を出店するとともに壁面には花火をLEDであしらい、屋台で料理された料理は実際に食べることもできます。
代表的なメニューも紹介します。高級寿司は旬の魚を使った盛り合わせが名物となり、例えばすずき昆布醤油(秋冬はひらめ)、地中海産漬け本まぐろ赤身、車海老、こはだ、煮穴子、カステラ玉子焼からなる「特上にぎり 蔵-KURA-」は1800円となりますが、相応の味わいが楽しめます。
なお、レギュラーの寿司も通常の「くら寿司」同様の豊富なバリエーションで用意されており、価格は一皿150円から。そして高級寿司に次ぐ推しメニューが天ぷらとなり、銀座店限定で阿波の足赤海老や穴子一本揚げなどを用意。屋台で揚げたてのおいしさを存分に満喫できます。
また、団子も注文を受けてから屋台の専用機器で調理。みたらし(150円)、あんこ、白あん、抹茶あん(各200円)と全4種があり、みたらしはテイクアウトも用意されています。
世界最多のボックスシートに史上最長の回転ベルトを用意したワケ
加えて「くら寿司グローバル旗艦店 銀座」の仕様として見逃せないポイントは、各客席にあります。なぜなら、くら寿司で史上最長となる123.14mもの回転ベルト(レーン)を設置しているから。座席数が242と極めて多く、ボックスシートの数もくら寿司で世界最多の店舗となっています。
この背景にも、くら寿司が他を圧倒している独自のストロングポイントがあります。それはズバリ、回転ベルト。くら寿司は2011年に日本初となる抗菌寿司カバー「鮮度くん」を開発導入し、2013年には特許も取得しました。これが感染症や迷惑客のイタズラ行為への対策となり、その結果大手チェーンでは唯一、いまも全店で回転ベルトに寿司を流しています。
さらに同社実施のインターネット調査によると、全体の過半数(52.7%)が、「回転ベルトでお寿司を流す回転寿司店を利用したい」と回答。特に、消費をけん引する20代は約65%が回転ベルトを肯定していたとか。
そこでくら寿司は、大手チェーンで唯一回転ベルトに寿司を流しているという独自性を生かし、この強みをいっそうウリとする戦略を仕掛けたのです。また、同社はEXPO 2025 大阪・関西万博で「未来の回転寿司」の出店を予定しており、“回転ベルトは、世界を一つに。”というコンセプトを発表。1977年に大阪・堺市で創業したくら寿司にとって、万博は大きな晴れ舞台となるでしょう。
美味しいうえに楽しい回転寿司が「くら寿司」だ
また、くら寿司が誇るその他のストロングポイントには、「皿カウンター水回収システム」と、そこへ5皿投入ごとに1回チャレンジできる「ビッくらポン!」もあります。これはまさに、同社のエンターテインメント性を象徴するコンテンツだといえるでしょう。
ライバルを圧倒するエンターテインメント性でファンを増やす、くら寿司。グローバル旗艦店の推進には海外展開も視野に入れており、事実同社は2009年のアメリカ進出を皮切りに台湾と中国にも出店し、累計100店舗以上の陣営に。
加えて2030年までに海外店舗を約4倍の400店まで拡大する計画があり、日本国内のグローバル旗艦店も増えていくでしょう。テーマパーク要素のあるグローバル旗艦店は、通常のくら寿司とは違った楽しみ方ができるので、まだ行ったことがないという人はぜひ一度!
【SHOP DATA】
くら寿司 グローバル旗艦店 銀座
住所:東京都中央区銀座3-2-1 マロニエゲート銀座2 7F
営業時間:11:00〜23:00(L.O.22:30)、土日は10:20〜23:00(L.O.22:30)
休業日:なし
アクセス:JR「有楽町駅」中央口徒歩4分、東京メトロ「銀座一丁目駅」4番出口徒歩2分、「銀座駅」C8出口徒歩3分