Googleがデータセンターの廃熱を暖房に再利用して地域の需要の80%をカバーする取り組みを発表
Googleがフィンランドの地元エネルギー会社と協力して、データセンターの廃熱を地域の暖房に利用する計画を進めていることがわかりました。これまでGoogleは廃熱を社内で再利用してきましたが、データセンターの規模拡大に伴って外部に提供することになったもので、地域の年間暖房需要の80%がカバーされる見通しです。
Our first offsite heat recovery project lands in Finland
Google’s first-ever heat recovery project for neighbourhoods in Finland - YouTube
Google's €1B Finnish DC expansion to heat local community • The Register
https://www.theregister.com/2024/05/21/google_dc_finland_heating/
計画が進められているのはフィンランドの首都・ヘルシンキから東へ150kmほどのところにあるハミナデータセンターです。
これまでGoogleはハミナデータセンターの廃熱を、隣接するオフィスビルの暖房に再利用してきました。
しかし、AIの計算能力強化のため、10億ユーロ(約1700億円)かけてハミナデータセンターに規模を拡大することになり、エネルギー会社Haminan Energiaと協力して、増加した廃熱をデータセンター近くの住宅や学校、公共施設などの暖房に転用することが決まったとのこと。
データセンターの規模拡大により、ハミナ市ではフルタイムの仕事が100人分、下請けの仕事が400人分、合わせて500人分の仕事が発生する見込みです。
計画を受けて、ハミナ市のイラリ・スーサル市長は「Googleとハミナ市には、長く一緒に繁栄してきた歴史があります。Googleは持続可能な未来志向が強い企業の優れた例です。ハミナ市は、フィンランドにおけるGoogleの故郷であることをうれしく思います」と述べました。
なお、熱の提供は無償で行われ、年間熱需要の80%をまかなう見通し。実際に暖房として利用できるようになるのは2025年後半からになる見込みです。