Appleが「スマートフォン市場を独占している」というアメリカ司法省からの訴訟を棄却すべきだと主張
Appleは2024年3月21日に、「市場独占を規制する法律であるシャーマン法を含むさまざまな反トラスト法に抵触した」としてアメリカ司法省と15の州、およびコロンビア特別区から訴訟を提起されています。これに対して、2024年5月21日にAppleは「ライバル企業との激しい競争のさなかにある」と述べ、裁判官に対し訴訟の棄却を求めました。
Apple says US antitrust lawsuit should be dismissed | Reuters
Apple slams DOJ antitrust lawsuit alleging smartphone monopoly, urges dismissal
https://nypost.com/2024/05/21/business/apple-slams-doj-antitrust-lawsuit-alleging-smartphone-monopoly-urges-dismissal/
アメリカ司法省と15の州、およびコロンビア特別区は2024年3月21日に「Appleはユーザーを囲い込んでスマートフォン市場を独占し、消費者や開発者らが支払う対価をつり上げている」として、Appleに対する独占禁止法訴訟を提起しています。
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この主張に対しAppleは「この訴訟が成功すれば、人々がAppleに期待しているテクノロジーを創造する私たちの能力が妨げられ、政府が人々のテクノロジーの設計に対し大きな権限を振るう危険な前例となるでしょう」と反論し、争う姿勢を示していました。
さらにAppleは2024年5月21日、ニュージャージー州の連邦地方裁判所のジュリアン・ニールズ判事に対し「Appleは独占企業とはほど遠く、ライバル企業との激しい競争に直面しています。そのため、『Appleはスマートフォン市場において競争的な価格をユーザーや開発者に請求したり、生産量を制限したりといった能力を持っている』という司法省などの主張は不適当です」との書簡を提出しました。
またAppleは「司法省はどの裁判所も認めていないはずの『独占禁止法上の責任』という新しい理論に依拠しています」と批判し、裁判の棄却を訴えました。
加えて、「iPhoneが消費者をデバイスに閉じ込めている」との主張に対して「Appleのやり方に不満がある人は、そのような制限がない競合他社のプラットフォームに乗り換えるあらゆるインセンティブを持っています」と述べています。
今回の書簡を受けて、裁判所はアメリカ政府に対して「7日以内に回答するように」と要求しています。アメリカ司法省はAppleの主張についてコメントを残していません。