CL初制覇の夢は持ち越しに…アトレティコOB「チームの努力と再び欧州8強に入ったことを誇りに思う」

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 “チョリスモ”が脈々と流れるアトレティコ・マドリード。種を蒔いたのがディエゴ・シメオネ監督本人だとすれば、それを開花させたひとりは、まず間違いなくディエゴ・ゴディン氏だろう。同指揮官下では公式戦通算344試合に出場し、ラ・リーガとヨーロッパリーグ制覇、チャンピオンズリーグ準優勝に貢献するなど、哲学の醸成を高めたレジェンドが語った。

 先のチャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド8でドルトムントと対戦したアトレティコ・マドリードは、ファーストリーグの先勝から一転、敵地でのセカンドレグで2戦合計スコアをひっくり返されて敗退。ディエゴ・シメオネ政権12年目、夢を見続ける、焦がれ続ける、悲願のビッグイヤーにはまたしても届かなかった。ただ、インタビューに応じたゴディン氏は「アトレティが長年追い求め、願い続ける夢が終わってしまった。ほろ苦い夜だ。でもね、我々全員が、チームの努力と再びヨーロッパ8強に入ったことを誇りに思っている」と告白した。

 そんなアトレティコ・マドリードは、来夏に新たなクラブワールドカップとして開催される『Mundial de Clubes FIFA』の第1回大会の参加クラブに選出された。世界各国の32のクラブがしのぎを削る同大会に“古巣”が出場することについて、ゴディン氏は「世界最高のクラブが集結する、この名誉あるトーナメントに参加できるのはわずか32チーム。そこに入れたことは、もちろん喜びと誇りだ」と強調。続けて「出場することは名声であり、アトレティコ・マドリードをほんの一握りのクラブだけが属する特権階級に押し上げるもの。確かにチャンピオンズリーグを敗退したことは悲しい…ただ、第1回大会という非常に重要なクラブワールドカップに出場できることに喜びと特権を感じている」と高揚感を口にした。

 最後に、同氏は「選手として出場したかったか? もちろん、その機会を得たかったよ。世界最高のチームと選手が集結するんだ。競争力が極限にまで引き上げられるのは明白。私の時代にもこのような大会があったらね」としつつ、「これこそがフットボールなんだと思う。進化と変化、そして改善されていく…。この大会によって競争が激化し、選手やチームが向上するのは間違いない。今はこの場所から楽しむつもりだ」と明かしている。

 自身のキャリアにおける最長在籍クラブに思いを馳せたゴディン氏。CL敗退を引きずる形で、リーグ戦にも黒星が付いたアトレティコ・マドリードは、いち早く悪い流れを断ち切り、クラブレジェンドの期待に応えたいところだ。