Intelの「Meteor Lake」を搭載したHuawei初のAI PC「MateBook X Pro」が発表されました。MateBook X ProはHuaweiのHarmonyOSで動作し、同社の大規模言語モデル「Pangu」を統合してMicrosoft CopilotやChatGPTと同様の機能を提供するとのことです。

HUAWEI MateBook X Pro 酷睿 Ultra 微绒典藏版 - 华为官网

https://consumer.huawei.com/cn/laptops/matebook-x-pro-ultra-premium-edition/

US lawmakers angry after Huawei unveils laptop with new Intel AI chip | Reuters

https://www.reuters.com/technology/us-lawmakers-angry-after-huawei-unveils-laptop-with-new-intel-ai-chip-2024-04-12/

Blacklisted Huawei unveils new Intel-powered notebooks - MateBook X Pro comes armed with latest Core Ultra inside | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/laptops/blacklisted-huawei-unveils-new-intel-powered-notebooks-matebook-x-pro-comes-armed-with-latest-core-ultra-inside

「MateBook X Pro」は、TDP40Wまでサポートするようにプログラムされたグラフィックス内蔵のCore Ultra 7 155HまたはCore Ultra 9 185Hプロセッサーをベースにしていて、16GBまたは32GBのRAMと、1TBまたは2TBのNVMe PCIeストレージのオプションが用意されています。

画面サイズは14.2インチでアスペクト比は3:2、解像度3120x2080ピクセル。OLEDタッチセンサー式ディスプレイを搭載していて、HDRモードでのピーク輝度は1000ニト、リフレッシュレートは120Hzで、Adobe RGB、P3、sRGBの色域をサポートしています。

Bluetooth 5.3アダプターとUSB-Cポート1つ、Thunderbolt 4ポート2つを備えていて、70WHrバッテリー、6つのスピーカー、4つのマイク、キーボード、トラックパッド、1080pウェブカメラも搭載。



MateBook X Proは軽量設計を特徴としていて、マグネシウム合金仕上げで重量はわずか約980gです。Huaweiはこの機体がAppleのMacBookに匹敵することを示唆しており、MateBook X ProのOLEDスクリーンがMacBook AirのLCDよりも優れていることや、Core Ultra 9チップが4Kビデオ編集においてM3 Proを搭載したMacBook Proよりも27%高速であることを明らかにしています。

このほか、Pangu AIサービスをリアルタイム翻訳、画質の向上、テキストの要約などに利用でき、さらにBaiduのErnie BotやiFlytekのSparkといった他社のAIモデルも利用できるとのこと。MateBook X ProがIntel Core Ultraの内蔵AIアクセラレーション機能を活用できるのか、それともクラウドに依存しているのかは不明です。

MateBook X Proは2024年4月18日に中国市場に投入される予定で、価格はIntelのCore Ultra 9プロセッサーと32GBのメモリ、2TBのストレージを搭載したバージョンで最大1万4999元(約31万9000円)です。



アメリカ政府はHuaweiを規制しようと躍起になっており、Intelのような国内のチップメーカーがHuaweiと取引するには政府の特別なライセンスが必要です。Intelはドナルド・トランプ政権末期の2020年後半から特別な輸出許可を得ていて、Intelは第12世代および第13世代プロセッサーを含むチップをHuaweiに出荷していました。

一方でライバルのAMDは許可を得られておらず、5億ドル(約770億円)相当のチップを販売する機会を失ったと不満の声をあらわにしています。

アメリカ国内ではIntelが中国企業へ製品を輸出し続けていることを快く思わない議員もいて、今回の「MateBook X Pro」発表に際し、一部議員らがバイデン政権を非難しました。



しかし、Intelの輸出許可は永遠に続くわけではなく、Intelが更新の意向を示さない限り2024年末に失効する予定。たとえIntelが更新を要請したとしても政府側が承認しない可能性もあります。

ロイターは「Huaweiは不安定な立場にあり、供給ラインがカットされる懸念がある中、輸出ライセンスが消滅する前にできるだけ多くのチップをIntelから輸入する必要があるでしょう」と述べました。