本当に「パジェロミニ」復活? 軽SUVはイケイケ三菱から発売される? 噂の真相はいかに
パジェロミニ復活は?
最近聞かれる「パジェロミニ復活」の噂。
昨今の業績も上々な三菱ですが、果たして本当にパジェロミニは復活するのでしょうか。
1990年中期に登場して大ヒットした三菱の軽SUVが、最近になって劇的復活するのではないかという噂が巷に流れています。
【画像】これが「パジェロミニ」 期待の「次期型」の画像を見る(30枚以上)
その名は三菱「パジェロミニ」。超大ヒットクロカン4WD「パジェロ」の弟分として1994年に登場した同モデルです。
発売から5年で39万6459台という販売台数を達成し、トールワゴンが主流になるまで、軽自動車市場を席巻しました。
パジェロミニがパジェロと違っていたのは、そのボディ構造。
パジェロがクロカン4WDでスタンダードなラダーフレーム構造を採用していたのに対して、パジェロミニはモノコック構造を採用していました。
と言っても、鋼板をラダーフレームのような形状にプレス加工し、これをモノコックボディのフロアに溶接するビルトインフレーム方式となっています。
これは660ccという小排気量エンジンでも軽快な走りを実現できるだけでなく、当時機運が高まっていた低燃費性能の向上に寄与しました。
また四駆ブーム末期には、オフロードは走らないがタフな雰囲気だけ欲しいというユーザーが増加し、本格派よりも「ライトクロカン(SUVの源流)」の人気が高まっていたのです。
トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」の初代モデルが登場したのも、ちょうどこの頃でした。
パジェロミニの登場により、スズキ「ジムニー」1択だった市場は劇変します。
2代目のモデル末期だったジムニーは新鮮味がなくなっている時期で、ユーザーはネームバリュー十分なパジェロの名を冠する軽のライトクロカンに飛び付いたわけです。
しかも、駆動方式もパートタイム4WDだけでなく、燃費を抑えることができるFRを設定。
日常的にクルマを使用する軽自動車ユーザー、そして非降雪地のユーザーに、この点も評価されました。
1998年には2代目が登場。2代目パジェロ後期型モデルに似せた外観を採用し、同時に低燃費、安全性を大幅に向上させました。
当初は初代同様に人気のモデルでしたが、2000年代初頭に2度に渡って発覚したリコール隠し問題によって、ユーザーの三菱車離れが起こります。
これが影響して、パジェロミニも最盛期の1/10まで販売台数が落ち込み、ついに2012年6月に生産を終了しました。
しかし、ユーザーのパジェロミニへの評価は今でも高く、中古車市場でも高値を維持。
またここ10年間、定期的に復活の噂が何度か出るなど、その人気ぶりには変わらないものがあります。
特にここ数年は三菱車復活の声が多く、「アウトランダーPHEV」や「デリカミニ」など、ヒットが続いています。
さらに、久しく日本での販売がなかった「パジェロスポーツ」の次期モデル(日本ではパジェロSで発売か?)が導入される可能性が高まっており、なおさらパジェロミニ復活の期待が高まっているようです。
最近になってインターネット上に掲載された予想CGを目にする機会が多くなっていますが、果たして本当に復活するのでしょうか。
三菱の開発スタッフにそれとなくあたってみましたが、その反応からすると直近での復活の可能性は低いようです。
というのも、三菱は現状で軽自動車市場に「デリカミニ」「ekクロス」という2つのモデルを投入しており、これらはどちらもタフ系ワゴン。
ここにさらにパジェロミニを投入しても、共倒れになってしまうという思惑があるようです。
しかも本家「パジェロ」が日本にない状態ではその知名度は低く、若年層の中にはパジェロを覚えていない、知らないというユーザーもいることでしょう。
パジェロミニの復活の可能性がゼロではないにせよ、もしあるとすればパジェロの日本復活の方が先になるのではないでしょうか。
ちなみに次期パジェロスポーツは、すでに高評価のピックアップトラック「トライトン」とシャシーやメカニズムを共有する可能性が大で、マスクデザインもトライトンのダイナミックシールド顔が採用されればヒットする可能性は大です。
現在、国内のクロカン4WD市場は好調でありながら、トヨタ「ランドクルーザー」シリーズの納期が長くなっていることもあり、欲しくても変えない状態。
軽自動車市場でもジムニーで同様のことが起きています。
ここにパジェロを投入すれば、市場に起爆剤になることは間違いないでしょう。
こうした先鞭をつけた上で、パジェロミニを発売すれば、かつてのパジェロ王国復興も夢ではないかもしれません。
まだ夢物語の段階と言えるパジェロミニ発売ですが、最近の三菱車の完成度の高さから考えると、ぜひ復活させてもらいたいものです。