タイヤに記された「謎の印」どんな意味? 気になる「赤と黄色マーク」の正体とは? 覚えておきたい「便利な活用方法」

写真拡大

「黄色や赤色の丸いマーク」の正体は?

 気づいていない人も多いかもしれませんが、実はタイヤの側面には「黄色や赤色の丸いマーク」が記されていることがあります。
 
 これによってタイヤに関するさまざまな情報が分かるといいますが、では一体何を意味するものなのでしょうか。

「黄色の丸い印」の正式名称は「軽点マーク」

 まず黄色の丸マークの正式名称は「軽点マーク」といって、その名の通りタイヤの最も軽い部分を示しています。

【画像】「これはアウトー!!」 これが今すぐ交換すべき「危険なタイヤ」です(17枚)

 なぜ最も軽い部分を示す必要があるのかというと、タイヤとホイールを組み上げる際に、全体の重量バランスを取るためです。

 タイヤのホイールには空気を入れるためのバルブを装着する箇所があり、ここには「バルブの重み」が加わるため他の部分よりも重くなります。

 そしてタイヤを組む際に、ホイールの「最も重い箇所」にタイヤの「最も軽い部分」を合わせることで、タイヤ全体の重量バランスをうまく取ることができるのです。

 ここで多くの人が疑問を抱くのが、「タイヤの軽い部分」という表現でしょう。

「タイヤは円状なので重さも均等になっているのでは?」と思うかもしれませんが、タイヤは綺麗な円形に見えながら、実は複数の素材を配合して製造する過程で、どうしても外径に微妙なズレが生じています。

 そのズレが影響し、重さも位置によって異なるので、最も軽い箇所に軽点マークを記しているのです。

では「赤色のマーク」は? これも重要な要素!

 では次に、赤い丸マークについて説明します。

「赤色の丸い印」の正式名称は「ユニフォミティマーク」

 これはタイヤの外径が最も大きくなっている部分を示すもので、「ユニフォミティマーク」と呼ばれています。

 先述のようにタイヤは綺麗な真円ではありません。一方でホイールもタイヤと同様にきれいな円に見えて、実はそれぞれの場所で微妙な外径(厚み)に差があります。

 タイヤの「外径が最も大きくなっている部分」と、ホイールの「外径が最も小さい部分」の位置を合わせることで、組み上がったタイヤが可能な限り綺麗な円に近い形状となるよう記してあるのです。

 また同様に、ホイールの外径が最も小さい部分には、白いマーク(青色で示されている場合も)があり、こちらは「ボトムマーク」と呼ばれています。

※ ※ ※

 このように、タイヤの重量バランスを取る軽点マークと、タイヤが綺麗な円になるようにするユニフォミティマークですが、その記載はメーカーによってまちまちで、両方記されていることがあれば、片方しかない、または両方ない場合も見られます。

 さらに、タイヤとホイールを組む際に、ユニフォミティマークと軽点マークのどちらを優先するのかも、実は対応する業者によって異なります。

 これについて新車ディーラーの整備士は、「ディーラーや整備工場、カー用品店などではバランスを確認しながらタイヤを装着していますが、どちらを優先するのかは業者ごとの考えで変わります。経験上でいえば、ユニフォミティマークを優先して、重量バランスはホイールに重りを装着して完成させることが多いですね」と話します。

 とはいえ、軽点マークとユニフォミティマーク、ボトムマークは、セルフでのタイヤ取り付けを考えている人にとっては重要なマークです。

 また、自身のタイヤの情報を知ることにつながりますので、タイヤ交換をディーラーやカー用品店でお願いしている人も、この機会に覚えておくといいかもしれません。