神田伯山は「小学生向け歴史チャンネル」鈴木おさむは「世界一ド派手でアホな挑戦」各界賢者が観ているYouTube
神田伯山
現在、全世界25億人以上が利用する巨大プラットホーム、YouTube。毎分500時間の動画がアップロードされ続け、目まぐるしい情報が日夜、更新されている。何かと「Z世代の庭」として語られがちなこのメディアをOVER40の各界賢者たちはどう使いこなしているのか――。実際に取材してみると、英知に富んだ彼らもハマる、珠玉の動画が見えてきた!
●講談師・神田伯山(40)が◎ ぴよぴーよ速報
<講談師の仕事を凝縮した歴史解説>
物語をわかりやすくおもしろくしゃべるというのは講談師の仕事なんですが、まさにこのチャンネルがそうです。私は5年ほどのファン。おもに世界の歴史や偉人たちの言葉を、小学生でも分かるように解説しています。それでいて大人が観ても最高におもしろいです。受験勉強をしているお子さんから、歴史をすっかり忘れた大人まで必見です。人間の歴史というのはめちゃくちゃで、それでいて愛らしい面もあるのですが。
我々はどういう歩みを経て、今ここにいるのかということを、くだきにくだきにくだいた紹介をしてくれる、良質なYouTubeの代表だと思います。人間と歴史が不得意な人こそ是非! イチ押し動画は、「小学生でもわかる世界史【総集編&詳細版】」です。
神田伯山
講談師 「日本一チケットが取れない講談師」の呼び名で話題に。持ちネタの数は15年で200を超え、独演会のチケットは即日完売。講談普及の先頭に立つ活躍をしている
●元東京都知事・舛添要一(75)が◎ イノチオ精興園
<趣味の菊は専門店の動画を参考に>
ガーデニングが趣味で、とくに菊を育てるのが好きなので、このYouTubeはよく観ます。この会社は菊の品種改良、種苗販売などが専門で、菊のエキスパートです。菊は品種も多様で、多くの色の花が楽しめます。しかし、手入れを怠ると貧弱になってしまう。このYouTubeのシリーズは初心者でもわかるように、菊の育て方を解説してくれるんです。
とくに春夏秋冬、時期に合わせた作業がシリーズになっています。口頭での説明もありますが、BGMに乗せて動作とテロップで説明するものが多く、うるさくありません。さらに、説明する人の顔は映さず、作業する手だけが映るので、これも気が散らなくてよい。また、単純動作は早送りにできるので、時間も節約できます。2年前からよく観ていますね。
舛添要一
元東京都知事 株式会社舛添政治経済研究所所長。参議院議員、厚生労働大臣を歴任し、2014年2月から東京都知事を務める。現在は、テレビのコメンテーターや執筆などで活動中
●放送作家・鈴木おさむ(51)が◎ ミスタービースト
<電車を落とし穴に……規格外の挑戦系YouTuber>
世界ナンバーワンのユーチューバー。年収60億円超えともいわれます。知ったのは1年ほど前。8歳の息子が、とんでもなくおもしろいものがあると僕に教えてきました。観て驚愕。とにかくド派手。昔の「少年ジャンプ」みたいなことに次々とチャレンジしています。電車を落とし穴に落としたり、9tの土に埋もれた棺の中で1週間過ごしたり。「金欲しさにゲームに挑戦する男vs.かなり無茶な無理難題ゲームシリーズ」は、まさに「リアルイカゲーム」。日本のユーチューバーにも、儲けたお金で年に一度くらいは、これくらいのド派手でアホなことに挑戦してもらえたら、メディア全体が変わる気がします。
鈴木おさむ
放送作家 バラエティ番組の構成のほか、ドラマの脚本や小説の執筆など多ジャンルで活躍。脚本家引退作ドラマ『離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-』(テレビ朝日系)が放送中
●マーケッター・牛窪 恵(56)が◎ さばかん
<虎党を癒やして盛り上げる“アレ”な解説>
私のような阪神タイガースファンのための、熱くてゆるいYouTube。自称大学4年生とは思えぬ試合実況のうまさや、プロ並みの知識満載の動画投稿で、15万人超の登録者を持つ。2023年はNMB48のメンバーともコラボを果たした。実況中でも、チャットでけんかを始める人々を瞬時に諌めたりと、目配りがみごと。
また、負け試合後にファンを癒やすのが、ゆるーいリコーダーの音色。さばかん氏が選手の応援歌を一人で演奏、録音した「音をはずしまくり」の簡易BGMで、負けて六甲おろしが歌えず苛立つ虎党も思わず脱力。「まいっか」「次勝てばええやん」と傷を舐め合える。
牛窪 恵
マーケッター マーケティング会社インフィニティ代表。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)ほかでコメンテーターを務める
●ジャーナリスト・鈴木エイト(56)が◎ DARTHREIDER
<ラッパー×芸人の軽妙時事ネタ評>
毎週金曜午後に配信される「#ヒルカラナンデス」は、1週間の政治・社会問題の時事ネタを振り返る人気チャンネルです。ラッパーのダースレイダーさんと時事芸人のプチ鹿島さんのシニカルで軽妙なトークが痛快です。
ダースさんのチャンネルにはエル・カブキという若手の芸人コンビも出ていて、「エル・カブキ公式チャンネル」も、時事ネタをギリギリのところで容赦なく斬っていく内容がおもしろいです。ダースさんとエル・カブキのエル上田さんには、私の書籍の出版記念トークライブにも出演していただきました。
鈴木エイト
ジャーナリスト ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。2011年よりジャーナリスト活動を始め、宗教と政治などを取材している