メッツ・藤浪晋太郎(左)の通訳兼トレーナーを務める鎌田一生氏(写真はアスレチックス在籍時)【写真:真柴健】

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藤浪晋太郎の電撃トレードでドタバタ“家族旅行”に

 突然の“引っ越し”に家族全員が仰天だった。オリオールズからフリーエージェント(FA)となり、14日(日本時間15日)にメッツと正式契約を交わした藤浪晋太郎投手の通訳を務める鎌田一生氏が、昨年7月19日(同20日)の電撃トレードを振り返った。

 アスレチックスレッドソックスに6-5で勝利した数分後、藤浪と鎌田通訳らは、本拠地の監督室に呼び出された。「着替えて球場から出る準備をしていたら、投手コーチが『フジと一緒に来てくれ』と。あ、もう、そういうことだな……と思いましたね」。監督室で待つ“要人”たちは笑顔だった。

 マーク・コッツェイ監督やGM補佐がウイスキーを持って、待ち構えていた。「監督室のドアをガチャっと閉めたら『フジ、おめでとう!』という感じでした。『トレードが決まった、オリオールズだ!』という感じでテンションが高く、強いチームに移籍できることを喜んでくれていました」。監督室を出ると、仲間たちも“祝福”してくれた。

「その日の試合も、展開的には投げてもおかしくない感じだったんですけど、登板機会がなかったんです。試合が終わると『ここまでチームのために頑張ってくれてありがとう』という感じでした。みんなとハグをして『おめでとう!』『良かったね!』という雰囲気でしたね」

鎌田通訳に起こった“ある問題”

 嬉しいはずの移籍だったが、鎌田氏には“ある問題”が起きていた。「その期間、僕の家族が夏休みで(アメリカに)来ていたんです。トレードが決まった日も球場で観戦していて……。もう少し滞在予定だったので『どうしよう……』と。すぐに妻に連絡しました。晋太郎にも『家族も一緒に行けないかな?』とお願いしました」。驚きの連続にも、冷静を保った。

「家族はトータルで2週間近く滞在の予定でしたけど、1週間が過ぎたタイミングで移籍になりました。移籍してすぐの試合がタンパだったので、一緒に行きました。ドタバタで移動して……。子どもたちは、あんまり理解できてませんでしたね(笑)」

 10歳の娘、8歳の息子は、異国で活躍するパパの勇姿を見た。「少しだけ家族の時間が短くなったのは、残念でしたけど、誰もができる経験じゃないので。その時は大変でしたけど、最終的に3つの球場を見ることができた。良い経験だったと思います」。ドタバタの中で撮った写真は、宝物になった。(真柴健 / Ken Mashiba)