「測定」と「アトリビューション」によってより洗練される インフルエンサーマーケティング
記事のポイント
インフルエンサーマーケティングにおける測定やアトリビューションの重要性が増し、マーケターは「いいね!」やコメント以上の詳細なデータを要求するように。
具体的なKPIはブランドによって異なるが、インフルエンサーマーケティングへの予算増加に伴い、「成功」の指標が再考されている。
新たなトレンドを迅速に把握し、それを活用する能力がインフルエンサーやエージェンシーにも求められるようになっている。
インフルエンサーマーケティングにおける測定やアトリビューションの重要性が増し、マーケターは「いいね!」やコメント以上の詳細なデータを要求するように。
具体的なKPIはブランドによって異なるが、インフルエンサーマーケティングへの予算増加に伴い、「成功」の指標が再考されている。
新たなトレンドを迅速に把握し、それを活用する能力がインフルエンサーやエージェンシーにも求められるようになっている。
この幹部は、RFPは全体として、以前に比べてはるかに洗練されたものになっているという。これは、インフルエンサーマーケティングの成熟がもたらすもうひとつの波及効果と言える。
洗練された測定とアトリビューションの提案は当たり前
マーケターがインフルエンサーマーケティングの予算を増やし続けるなか(最近のIAB(インタラクティブ広告協議会)の調査によると、広告主の44%が2024年はインフルエンサーマーケティングへの支出を増やし、予算をおよそ25%増やすと予想している)、彼らはインフルエンサーマーケティングキャンペーンの「成功」の指標を再考している。
測定とアトリビューションの要求に関して、マーケターは、ブランドがインフルエンサーの取り組みにおいて独自のマーケティングミックスモデリングを行うために、基本的な「いいね!」、コメントやエンゲージメントの指標以上に、詳細なデータを要求している。具体的なKPIはブランドによって異なるだろうが、インフルエンサーマーケティングの幹部は、より洗練された測定とアトリビューションの推進はいまや当たり前だと言う。
「ほんの数年前まで、インフルエンサーマーケティングプラットフォームやエージェンシーに来る人たちは、メディアバイイングのような感覚でそれを見ていた」と、インフルエンサープラットフォーム、ファインド・ユア・インフルエンス(Find Your Influence)のクリエイターエコノミー部門責任者、チェルシー・グッドソン氏は言う。「ブランドはそれ以上のものがあることに気づいた」。
「ブランドは、エージェンシーやプラットフォームのリポートだけに頼るのではなく、自社のダッシュボードにデータを投入できるようにしたいと明言するだろう、とインフルエンサーマーケティングショップのオブビアスリー(Obviously)の最高経営責任者(CEO)兼創設者のメイ・カーウォウスキー氏は指摘する。オブビアスリーでは以前、より重要な測定とアトリビューションについてクライアントに売り込んでいた。これは現在の必須事項となっている。
トレンド発見も重要
より高度な測定要件はさておき、ブランドは、新たなトレンドの重要性と、インフルエンサーマーケティングを成功させるために、そのトレンドの最先端にい続ける必要性をより強く認識している。トレンドのハイプサイクルのスピードが加速しているため、ブランドはインフルエンサーマーケティングエージェンシーやプラットフォームに対し、RFPのピッチプロセスの一環として、トレンドの最先端を行くためのプロセスをのぞき見ることを求めるようになっている。
ブランドはRFPの中で、「トレンドの最先端にい続け、新しいトレンドを発見し、それをどのようにブランドと共有するのか、そのプロセスを理解したい」と明言していると、インフルエンサーマーケティングショップ、スウェイ・グループ(Sway Group)の創設者であるダニエル・ワイリー氏は言う。「ブランドはいま、それがどのように彼らのプログラムの一部になるかを概説することに全面的に力を入れることを我々に求めている」。
ブランドがトレンドの最先端を行き、特に若いオーディエンスと関連性を保ちたいと考えるのは目新しいことではないが、ブランドがいま、新たなトレンドに焦点を当てていることは重要なことだと、インフルエンサーマーケティングの担当幹部は説明する。この人物は、トレンドサイクルがかつてないほど早くなっている兆候とみている。より多くのブランドがインフルエンサーマーケティングに「トレンドジャック」的なアプローチを取るなか、潜在的な成功を認識し、自社ブランドにもそのアプローチを採用したいと考えるブランドが増えている、とワイリー氏は説明する。
文化にただ乗りではなく、独自の文化を作る
トレンドのサイクルの速さを考慮し、新たなトレンドへのアプローチを再構築しているエージェンシーもある。はっきりしていることは、クリエイターと常に会話し、彼らが取り組んでいること、ブランドがフィットする場所、そしてそれらのクリエイターが生み出す可能性のあるトレンドについて把握することだ、とカーウォウスキー氏は説明する。
ヴェイナーメディア(VaynerMedia)のチーフクライアントオフィサー、ニック・ミアリティス氏は次のように説明する。「他の文化の波に“ただ乗りする”のではなく、独自の文化を創造してみよう」という感情がある。ブランドが文化を手にできるかどうかは、ブランド次第だ。
[原文:Marketing Briefing: As influencer marketing RFPs mature, measurement, attribution and emerging trend strategies come into focus]
Kristina Monllos(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:分島翔平)