Netflixの「ベーシック」プランが一部地域で完全廃止に
「広告つきスタンダード」「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」等が用意されているNetflixのプランのうち、すでに新規受付が終了している「ベーシック」プランが一部地域で廃止されることがわかりました。これにより、既存の加入者はプランの移行を強制される可能性があります。
NEW-FINAL-Q4-23-Shareholder-Letter.pdf
(PDFファイル)https://s22.q4cdn.com/959853165/files/doc_financials/2023/q4/NEW-FINAL-Q4-23-Shareholder-Letter.pdf
https://www.cnbc.com/2024/01/23/netflix-nflx-earnings-q4-2023.html
Netflix is going to take away its cheapest ad-free plan - The Verge
https://www.theverge.com/2024/1/23/24048107/netflix-basic-subscription-ads-earnings-q4-2023
(NFLX) Netflix Buys Rights to WWE’s ‘Raw,’ Its First Big Live Event - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-01-23/netflix-buys-rights-to-wwe-s-raw-its-first-big-live-event
ベーシックは月額11ドル(日本では990円)で利用可能なプランです。これはHD画質で同時に1台のデバイスでコンテンツを視聴可能なプランであり、広告なしのプランでは最も安いものでした。
このベーシックプランは、2023年7月からアメリカやイギリスで新規受付および再加入者の受付が終了しており、2023年10月から日本を含む各国でも受付が取りやめられてきました。
Netflixが2024年1月の決算報告で説明したところによると、まずはカナダとイギリスを対象に、2024年第2四半期からベーシックプランを廃止する予定とのこと。この措置は順次各国へ拡大する予定で、いずれ日本でも廃止される可能性があります。
これにより、既存のベーシック加入者はプラン移行を強制されることになります。記事作成時点でNetflixが展開しているプランは、月額790円の広告付きスタンダード、月額1490円のスタンダード、月額1980円のプレミアムの3つです。Netflixは、広告付きプランを展開している地域での加入者の40%が広告付きプランを選択していると報告しています。
決算報告によると、Netflixは2023年第4四半期に1310万人の加入者を獲得し、現在の加入者数は2億6080万人に到達したとのこと。同四半期の売上高は88億3000万ドル(約1300億円)で、前年同期比の78億5000万ドル(約1200億円)から増加。純利益は9億3780万ドル(約140億円)だったと報告されています。また、営業利益率も目標の20%を上回りました。
2024年は、コアとなる映像コンテンツの改善と、ゲームなど各種サービスの拡大、提供する番組の幅を広げることに注力するとのこと。ゲーム分野ではNetflixが展開するゲームサービスが好調で、2023年に前年比3倍のエンゲージメントを獲得したことがわかっています。特に話題となったのは「グランド・セフト・オート(GTA)」で、2023年11月からGTAのリマスター版がNetflix加入者向けに配信されたことが伝えられています。
また、2024年1月24日には、Netflixがアメリカのプロレス団体・World Wrestling Entertainment(WWE)と契約を結び、WWEが展開するテレビ番組「Raw」をはじめとする各種人気番組を独占配信していくことも公表されました。匿名を条件に語った関係者によると、この契約は2025年から10年間続き、合計50億ドル(約7400億円)の契約金が発生するとのこと。
決算報告を通じ、Netflixのグレッグ・ピーターズ共同最高経営責任者は「Netflixの優先課題は規模拡大です。利用者数は市場によりそれぞれ異なりますが、私たちが展開しているすべての市場において、成長の余地がたくさんあることは確かです」とコメント。2300万人にも達する月間アクティブユーザーを維持・拡大していく方針を示しました。