ただの風船人形に見えるけど60万円! 動くマネキンは80万円! 道路工事の癒し系キャラ「旗振りアイテム」の値段を調べてみた
この記事をまとめると
■年末や年度末に増える道路工事現場には新技術を採用したさまざまなアイテムが投入されている
■道路工事現場に導入されるアイテムの価格を調べた
■人件費と各アイテムの価格を比較した場合、多くの場合で人件費が各アイテムの価格を上まわる
道路工事現場をよく見たら面白かった
12月に入ると一気に気温がぐっと下がり、ウインターセールやら、あるいは気が早いところだとクリスマスの告知を始めるところも出始めてきます。クルマ関係で言うと、「そろそろ道路工事が増えてくるから、朝早めに出ないとな……」なんていう心配を始めるころですね。
高速道路の大規模工事に始まり、幹線道路などの大きな道に留まらず、生活道路にまで工事がおこなわれるのは、もはや風物詩と言っていいでしょう。ドライバーからしたら「なにもみんなが忙しなくなる気が立ちやすい時期にわざわざまとめて工事しなくても(怒)」という気持ちになりますが、けっして工事現場の人たちが悪いわけではなく、行政の仕組みを根本的に改善しないとならない問題なので、まぁこれからしばらくはお付き合いしなくてはならないというところでしょう。
そんな工事現場で足止めを喰らっているときに気になる存在がありませんか? そう、あの旗振りをアニメーションのように映しているLEDの掲示板や、やたら明るいバルーン照明などの工事現場でしか見ないアイテムです。
あの世界も日々進化しているようで、毎年何かしらの新技術が投入されたアイテムが登場しているので、気にして見ていると興味が涌いてきます。
たとえばあの照明のバルーンなんかは「夜の整備にひとつあったら便利だな」とか思ったりしませんか? そうなると気になるのは価格です。専門用品なのでそれなりの値段ではないかと思いますが、5万円なのか50万円なのかわかりませんよね。
ここではそんな工事現場で見るアイテムの値段を紹介してみましょう。
※価格はいくつかの商品を抜粋して調査したもので、その商品全体の相場とは異なる場合があります
■アニメーションのいろんな表示が楽しい「LED電光掲示板」
価格:10万円台〜
いちばん印象に残っているのは、50インチの液晶テレビをタテ長にしたくらいのLED掲示板で、文字だけの表示から、旗振りのアニメーションを流したりといろんな表示をしてくれるタイプ。
けっこう輝度が高いので高性能なLEDを使っているイメージがあるのと、表示の多彩さから価格も高めだと想像しますが、冷静に見るとドットは初期のファミコン並みに荒いし、LEDパネルにコントローラーが付いただけのシンプルな構成なので、意外とお値段控えめかもしれないと思えてきます。
実際はどうでしょう? 安いものだと10万円台の後半から買えるようです。お安いですね。でも高いものは80万円とかかなり開きもあるようで、用途により予算も変わってきますね。
■もはやマスコット? 昔からある「旗振り人形」
価格:80万円くらい
マネキンに警備員のユニフォームを着せて腕を振るようにしただけのチープな人形タイプの旗振り機(?)はかなり昔からありますね。
昭和50年代から販売している老舗の製品は「安全太郎」という製品名でいまでも親しまれているとのこと。
あんまり間近で見る機会はありませんが、よく見ると服は着ているのではなく、おそらくFRPなどの樹脂製の一体成形で作られているようです。腕が電動で動くようになっていて、バージョンによって両手が動くタイプもあるようですね。
価格は驚きの80万円ほど。想像よりだいぶ高いなと感じましたがどうでしょうか?
■エアで膨らませるバルーンタイプの誘導マスコット「エア誘導員」
価格:60万円〜
ここ数年でバルーンタイプの誘導員マスコットをポツポツ見かけるようになってきました。サイズもマネキンより少し大きく、自光式なので視認性はマネキンタイプを大きく上まわっていますが、見た目が妙にかわいかったりして現実感がないせいか、あの無表情なマネキンタイプの存在感が恋しくなる気がするのは私だけでしょうか?
それでも、前述の視認性を始め、携帯性や接触時のダメージの少なさなど、バルーンタイプの利点はいろいろあるようで、今後はさらに普及していくことでしょう。
価格はマネキンタイプよりお安く、だいたい60万円くらいとのこと。ちなみにパチンコ店の店頭などで見掛けるバルーン式の看板はもっと安くて、10万円台から購入できるのもあるようです。一家におひとついかがでしょうか?
工事現場にかなり前からある定番アイテムの価格も調べてみた
■昔から不変のシンプルな表示方式「立て看板」
価格:1万円以下〜
前出のLEDやマネキンタイプ、バルーンタイプは目立ち度で言ったらかなり高く、印象にも残っていますが、いまだにおそらくいちばん多く使われているのがこのシンプルな立て看板タイプでしょう。
ただの板に「工事中」などの文字が表示されているだけのものから、反射素材を使ってヘッドライトが当たると強く光るもの、あるいは周囲にLEDライトを備えていて明るく表示できるものなど、夜でも目立つ工夫がされたものが多くあるようです。
つくりがシンプルなだけに価格は低く、ただの表示板タイプは1万円しないものもあるようです。逆に、照明などの装備が付いてくるとひとつ桁が増えるので、全体を見るとピンキリと言えるかもしれません。
■<参考>ニンジンを振り振り、ときには怒りのはけ口「誘導員(人間)」
価格:約1000円/時間〜
「マネキンタイプって、高いんだな」とビックリしてしまったので、「それならアルバイトを雇うほうが安いんじゃ?」と思い、ちょっと調べてみました。
アルバイトの場合は「平均値〜」となっているようですね。雨や風の日もあるのでけっこう過酷な労働だなと想像していましたが、ちょっと意外です。もちろん、深夜などの時間帯はお手当が付くとは思いますが、特別な資格や能力を必要としないので、そんなものなのでしょうか。
ちなみに、費用を比較してみたくなったのでざっくり計算してみましょう。
マネキンタイプが仮に耐用年数10年だとすると、一カ月にかかる費用は……80万円÷10÷12 =6666円。アルバイトで週に5日、日中に6時間誘導員をした場合は……1000×6×5×4=12万円。
……どうでしょう? 費用だけを見ると人件費のほうが18倍高くなってしまいました。
ただし、誘導員の場合は道路の片側車線を塞いだ場合などで交互にクルマを流すようなケースには不可欠ですし、いまでも完全な代用は難しいでしょう。臨機応変な対応が求められる現場はとくに替えが利かないのではないでしょうか。
逆に、高速道路などの事故の危険度が高い現場の場合は機械に任せる方向が主流になってきているので、そういう現場ではLEDやバルーンタイプの独壇場という感じです。
■その他の気になる工事現場アイテムの価格
独断と偏見で、工事現場で見かけるアイテムのなかで価格が気になるものを少し調べてみたので発表しておきましょう。
・バルーン式の投光器:30万円〜
30年くらい前から見掛けるようになってきた、白いバルーンが光るタイプの投光器です。広い範囲をかなり明るく照らしているのを見て、夜間の作業灯として自宅のガレージに欲しいなと思っていました。投光器だけに発電機を備えているので、電源が無い場所でも周囲を明るく照らすことができるのが便利です。キャンプなどのレジャーでも活用できそうです。
小型のもので30万円台から販売していますが、工事現場の大型のタイプは100万円するものもあるようです。
・カラーコーン:600円〜
工事現場には欠かせないカラーコーン。大昔からカタチを変えることなくずっと存在している恐るべきアイテムです。もはや工事現場にとっては空気みたいなものと言っても過言ではないでしょう。高速道路で5m間隔くらいで規則的に並べられて車線を塞いでいるカラーコーンを見ると、無性にスラロームしたくなるのは私だけでしょうか?
ちなみにいまはいろんな追加デバイスがあるようです。たとえば、頭にかぶせるLED点滅器が1万円くらい、コーンにかぶせる矢印表示板が5千円くらい、風で飛ばないようにかぶせるゴムの重しが1000円くらい、コーンの間に渡すバーが700円くらいでそれぞれ販売されています。意外と安いなと感じますが、これはこれでいろいろ追加していると「元の何倍だよ!」という事態になってしまいそうですね。
・クッションドラム:1万5000円〜
「クッションドラムってなんぞや?」という人がほとんどでしょう。主に道路が分岐する部分の頂点に設置してある、黄色いドラム缶のような円筒形のアイテムです。衝突の防止と、万が一に衝突してしまったときの緩衝物として作られたもので、なかには水を入れて使うようです。
サイズが大きいのでけっこう高いかも知れないなと思って見ていましたが、2万円しないくらいの価格なので、意外とお安いんだなと思いました。
どうでしょう、価格を知って欲しくなった物がありましたか? カラーコーンなどはホームセンターでも普通に手に入れられますね。個人的にバルーン式の投光器はいまでも欲しいなと思っています。発売からけっこう年数が経っているので、もしかしたら中古品が出まわっていてお安く買えるかもしれません。