GMOリサーチとGMO AI & Web3は12月8日、GMOリサーチが保有する国内モニターパネル「JAPAN Cloud Panel」のモニターのうち1,126人(15〜93歳までの男女)を対象に共同で実施した、AIトレンドに関する自主調査の結果を発表した。

生成AIの認知と利用状況

生成AIの認知と利用経験の有無を尋ねると、知っている人(有償版を利用している・無償版を利用している・知っているが利用したことがない)は63.6%。一方、利用したことがある人(有償版を利用している・無償版を利用している)は16.6%にとどまり、生成AIについて知っていても利用していないという人(47.0%)のほうが圧倒的に多かった。

また、利用したことがある人の中でも、有償版を利用している人は全体のわずか5%と少なく、お金を払ってでも利用したい、お金を払う価値があると考えている人はまだまだ少ないことがわかった。

生成AIが提供する情報やコンテンツをどれくらい信頼しているかについて、信頼する(非常に信頼する・ある程度信頼する)と答えた人は29.5%、信頼しない(あまり信頼しない・全く信頼しない)と答えた人は37.7%と、信頼していない人のほうが多い結果となった。

生成AIの利用経験の有無別にみると、利用経験者で信頼すると答えた人は57.0%、未利用者は23.8%。一方で、信頼しないと答えた人の合計は、未利用者(37.7%)と利用経験者(35.2%)で大きな差はなかった。また、わからない/意見がないと回答した人は利用経験者が7.8%、未利用者が38.5%であった。

生成AIが提供する情報やコンテンツに対する信頼度

この結果から、利用経験は生成AIに対する理解を深め、肯定的な考えを持つようになる人が多いことが明らかになった一方で、利用経験の有無にかかわらず信頼できないと考える人の割合がほぼ変わらないことから、信頼できないと評価されているという気づきもあり、生成AIについてはまだ改善の余地があると両社はみている。

2023年11月現在「生成AI」という言葉から連想するキーワードを尋ねると、特に回答が多かったのは「ChatGPT」で41.6%で2位以降に大差を付けた。続いて「Google Bard」(8.3%)や「Meta AI」(7.4%)が重要なキーワードとして挙がった。また、「大規模言語モデル」(4.8%)や「プロンプト」(4.4%)などの技術的な項目も注目され、AI技術への興味を示した。しかし、全回答者の51.5%が具体的なAI関連キーワードについて認識しておらず、AI教育の必要性を示唆している。

2023年11月現在「生成AI」という言葉から連想するキーワード

これらの調査結果から、日本国内では生成AIの認知度に対して利用が進んでいないことが明らかになった。生成AIに対する信頼度については現状未利用者が多く、判断がつかない人が多く存在した一方で、利用経験者では肯定的な人の割合が高く、利用による理解が信頼度に与える影響は大きいと両社は見ている。