画像はイメージ

写真拡大

プロ野球阪神を戦力外となった高山俊外野手(30)が2023年12月5日、来季からプロ野球イースタンリーグに参加するオイシックス新潟アルビレックスBCに入団した。日本野球機構(NPB)早期復帰を目指し新たなスタートを切る高山に求められるものとは何か。J-CASTニュースは、オイシックス新潟の橋上秀樹監督(57)に話を聞いた。

「高山選手はバットコントロールに長けている」

高山は日大三高、明治大を経て15年のドラフト1位で阪神に入団。ルーキーイヤーの16年は134試合に出場して打率.275、8本塁打、65打点を記録し新人王のタイトルを獲得した。プロ3年目の18年から出場機会が減り、今季は1軍での出場なくオフに戦力外通告を受けた。

11月15日に行われた12球団合同トライアウト(千葉県鎌ケ谷市)に参加し5打数2安打2四球だった。

橋上氏は「来シーズンは高いレベルのところで試合をやるので、それに備えて戦力の充実、レベルアップが必要になる」とし、高山を獲得した理由を説明した。

「これまではNPBの戦力外選手を積極的に獲得してきませんでしたが、来シーズンは高いレベルの選手に入ってもらいたいという思いがありました。戦力外となった選手の中から名前、実績、年齢などを精査しながら最終的にトライアウトを視察しました。その中でまだまだ戦力として、NPBに復帰する可能性を含めて十分だと思ったのが高山選手でした」

さらに「高山選手はバットコントロールに長けており、アベレージヒッターの典型。トライアウトではスイングが強く、トライアウトを受けていた選手の中では見るべきところが1番あったと思います。思った以上にバットが振れているという印象でした」と続けた。

高山選手を高く評価する一方で、外野のレギュラーは確定していないとの見解を示した。チームは22年オフにヤクルトを戦力外となった中山翔太外野手(27)を獲得。昨季BCリーグで結果を残した外野手が2人いるため、外野のレギュラー争いは必至だという。

「環境さえ整えばまだ力を発揮できる」

橋上氏は「チーム内で今までなかったレベルの競争になると思います。現状、誰がレギュラーという確約がない。それぞれ特徴がありますし、違う色を持っている選手が集まった。年が明けたら来シーズンに向けてのキャンプなどがありますが、チーム内での競争を勝ち抜いてレギュラーの座を取ってもらいたい」と期待を込めた。

高山の早期NPB復帰のために全力でサポートするとし、来季の起用法に言及した。

「イースタンリーグは長丁場なので体の調子を見ながらDHで起用することもあるでしょうが、DH専門という考えはない。本人も一刻も早くNPBに戻りたいという思いが強いでしょうから、そのためにはDHだけで起用するより守れるという評価を得た方が、可能性が広がると思います」

来季からイースタンリーグに参加することはNPB復帰、NPB入りを目指す選手にとって大きなメリットがあるとし、高山にも大きなチャンスになると指摘した。

「2軍の監督やコーチからスカウトやフロントに『新潟のあの選手がいいよ』という情報がいけば非常に効果的。スカウトの人が見ている目も大事ですけども現場の監督、コーチが『これはいい』という評価はより大きい。本人の口からも『NPB復帰が前提にある』と聞いています。それを少しでもサポートできればという思いがある。環境さえ整えばまだ力を発揮できると思います。彼の意地に期待したい」

そして「チームが勝っていくためには選手を途中で抜かれるというのは間違いなく戦力ダウンになるので痛手ではあるが、NPBを戦力外となった選手のNPB復帰の道順として『このルートがある』という風になってくるといいですね。新潟のファンの方々にはもちろんチームが勝つということを楽しみにしていただいていますが、一度NPBを戦力外となった選手が新潟で再起を図ってNPBに戻って活躍する姿は応援のしがいがあると思います」と語った。