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家事や育児、介護などの分担をめぐって、家族間で言い争いが増えて、いつのまにか一緒にいて心地よい存在だったはずの家族が「つかれる存在」になってしまった……そんな話を聞くことがよくあります。

どうして自分の不満が家族に伝わらないの? どうしたら「つかれない家族」になれるの? そんなふうに「つかれる家族」と「つかれない家族」を考察するこの連載。

今回のテーマは「うつにならない働き方」です。オーバーワークによるうつや休職の話は、会社員として働いていれば、他人事ではない話。しかし、心身を壊して休職すれば、家庭への影響も甚大です。そこで、フランス在住ライターの郄崎順子さんに、ウェルビーイングを重視したフランス式の働き方について教わりました。前後編に分けて「うつにならない働き方」を紹介します。

オーバーワークでうつになる人の多さ


「人手不足だから休めない」は間違い!


フランス政府のバカンス推進理由は…


仕事から離れて、心身に栄養を与える時間が大切!


意外にも、フランス人の当時の反応は…


フランスも「休めない国」だった


国も人々も本気で「休める国」に変えた!


これから日本の「本気」が試される!



郄崎さんの著書『休暇のマネジメント〜28連休を実現させるための仕組みと働き方』(KADOKAWA)。フランスのバカンスの歴史と、バカンスを実現するための各業種の工夫、日本でバカンスを導入している企業などが紹介されている

フランスでは、年5週間の年次休暇取得(うち1回は2週間のまとまった休暇)が、働く人の心身の健康に不可欠と労働法で義務化されています。職種によって時期や取り方は変わるものの、数週間のバカンスを取りゆっくり過ごすのは一般的なことだそう。新型コロナの影響もあり、人手不足はますます深刻になっているようですが、多くの人々は、必死で工夫をして、バカンスを死守しているようです。

一方、日本の働き方はまだまだ問題が多いのですが、働き方改革は大きなターニングポイントになったといえるでしょう。

日本の労働環境も少しずつ変わってきている

ちなみに、日本の働き方改革も、労働者のウェルビーイングと生産性の向上を目指して始まったものです。その影響で、以前よりは少しずつ労働環境は変わってきていますし、企業独自の取り組みで社員のウェルビーイングを図る企業も増えています。


たとえば、NTT東日本では、「ポジティブ・オフ」という「できたら2週間連続で休むことを推奨・実践」する制度があるそうです。また、三菱ふそうトラック・バスでは、2014年から、長期休暇中には、社員にメールが送られないシステムを全社員に導入しているそう。これは日本版の「つながらない権利」と言えるでしょう。

とはいえ、「いやいや、職種によってはそういうことも可能だろうけど、職種によっては無理じゃない? みんながみんな同じように休みを取ったりは難しいんだよ!」という声もあると思います。

そこで次回の後編では、フランスの各業種それぞれの「休みを取るための工夫」を紹介したいと思います。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。

(ハラユキ : イラストレーター、コミックエッセイスト)