医療法人社団友伸會(資産の総額1億3216万7816円、東京都豊島区南池袋2-29-9、登記面=東京都豊島区西池袋3-17-3、理事長藤田敦士氏)は、9月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。

 申請代理人は柴原多弁護士(東京都千代田区大手町1-1-2、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、電話03-6250-6200)ほか6名。監督委員には郄木茂弁護士(東京都中央区築地4-2-11、銀座木挽町法律事務所、電話03-6228-4487)が選任されている。

 医療法人社団友伸會は、2002年(平成14年)2月、前理事長が運営していた個人歯科医院を法人改組。その後、「東京プラス歯科矯正歯科」などの院名で、東京、神奈川を主体に、新規開院や歯科医院の譲り受けにより業容を拡大し、2015年8月末時点で10施設を運営していた。
 診療科目としては、一般歯科、予防歯科、小児歯科のほか、審美歯科、インプラント、矯正歯科、ホワイトニングなどを行い、特に歯科矯正において、2017年7月から他社が手がけるマウスピース矯正「キレイライン矯正」の提供開始を機に、矯正治療を中心とした自由診療にシフト。「キレイライン矯正」は患者ごとにオーダーメイドしたマウスピースを装着し歯並びを改善する矯正法で、ワイヤー矯正と比較して装置が透明なため目立たず、ホワイトニングも同時に行えるうえ、価格も割安であるため高い集客力を誇った。同矯正の好調に加え、さらなる新規開院・譲り受けにより29施設まで拡大させ、2021年8月期には年収入高約86億3300万円を計上していた。

 しかし、注力していた「キレイライン矯正」は原価が高く、収益面が課題となっていた。このため、2022年7月より「キレイライン矯正」の提供を停止し、利益率の高い自社オリジナルの「ホワイトライン矯正」に注力したものの、想定していた以上に来院患者数が落ち込み、業績が悪化。同年10月には現理事長に交代していたほか、11月には「キレイライン矯正」の提供を再開、12月には金融機関やリース会社に対し、返済条件の変更を要請していた。その後も不採算医院の閉鎖や固定費削減など経営改善に努めたものの、自主再建を断念した。

 負債は債権者約150名に対し約37億円。