シャンパンファイトでの藤浪(写真:AP/アフロ)

 9月18日(日本時間、以下同)、藤浪晋太郎が所属するボルティモア・オリオールズが、7年ぶりとなるプレーオフ進出を決めた。

 ア・リーグ東地区首位のオリオールズはこの日、2位のレイズと対戦し、藤浪は1点ビハインドの9回表に登板。2死1・2塁のピンチを招き降板したが、続いてマウンドに上がったカノが後続を抑えて無失点。チームはこの後、延長戦でサヨナラ勝ちした。

 試合後にはプレーオフ進出を祝うシャンパンファイトがおこなわれ、チームの公式「X」に投稿された動画では、藤浪が楽しそうにハイド監督にシャンパンをかける様子を観ることができる。

「今季、阪神からMLBアスレチックスに移籍した藤浪ですが、当初は先発を任されたものの、制球難で1カ月も経たないうちにリリーフに配置換え。5月末での防御率は12.00でした。

 しかし、そこから徐々に持ち直し、7月半ばには防御率も8点台にまで下がります。そして7月20日、オリオールズに電撃移籍するのです。制球に改善が見られるとはいえ、プレーオフを狙うチームへの移籍は驚きでしたが、移籍後の成績はなかなかです。

 アスレチックスでは34試合で防御率は8.57でしたが、オリオールズでは25試合で防御率は3.76。大リーグで重視される数値のWHIP(イニングあたり走者数)も、アスレチックス時代の1.66からオリオールズでは1.06と、劇的に良化しています。いまや、チームにとって重要な戦力と言っていいでしょう」(スポーツライター)

 メジャー1年めからプレーオフ進出というチャンスを掴み取った藤浪に、SNSでは

《藤浪、まさかの大谷より先にシャンパンファイト。持ってるな〜》

 と、強運ぶりに驚く声が多数。「X」では「シャンパンファイト」がトレンド入りした。だが、その一方ではこんな声も。

《シーズン最初の頃の大谷と藤浪の状況を考えたら本当に人生ってわからないものだな…と感慨深くなる》

《大谷が目指しても辿り着けないでいるプレイオフに藤浪はいけちゃう 藤浪も苦しんだ分だけ運が巡ってきたか》

《彼の努力と運の強さには敬意を表する。しかしながら、所属チームがトレード戦線での賭けに敗れた上、自身も怪我により最後の最後に戦線離脱した大谷選手の事を思うと、何だか虚しさというか理不尽さを感じてしまうんだよな》

 藤浪と同学年の大谷翔平は、右わき腹の怪我により、今季残り試合をプレーしないことをエンゼルスが9月17日に発表。また近日中に、右ひじ靭帯の手術を受けることも明らかになった。SNSには、

《大谷が6年メジャーでやっても行けないプレーオフに藤浪はあっさり進出 なんかイチローと田口みたい》

 との声も見られる。オリックスのチームメイトだったイチローと田口。メジャーで19年プレーしたイチローだが、プレーオフに出たのは2001年の一度だけ。一方の田口は、メジャー8年でワールドシリーズ制覇を2度も経験している。

 本当に、人生ってわからない……。