東京出身→茨城の農家になった人が幸せ感じる訳
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家事や育児、介護などの分担をめぐって、家族間で言い争いが増えて、いつのまにか一緒にいて心地よい存在だったはずの家族が「つかれる存在」になってしまった……そんな話を聞くことがよくあります。
どうして自分の不満が家族に伝わらないの? どうしたら「つかれない家族」になれるの? そんなふうに「つかれる家族」と「つかれない家族」を考察するこの連載。
今回から数回に分けて、茨城県在住の野菜農家「そよかぜ農園」のご家族の生活を紹介します。農家という体力仕事を家業にする家庭はどんなふうに家事育児分担しているのでしょう?まず今回は「ふたりが農家になったワケと農家の幸せ」についてです。
第一次産業で働く家庭の場合は?
出会いは田んぼ、自然栽培にこだわる農家のご夫婦
「ウソのない生活」、まぶさんが農業を始めるまで
のんさんは農業体験のため町を訪れる
町とまぶさんに確信を抱いたのんさん
翌年、家族農園が本格的にスタート
災害や国の政策、資本主義からも影響を受ける農業
ずっと求めていたウソのない暮らし
農業は最高の「生き方」
そよかぜ農園は、無農薬無肥料という自然栽培にこだわり、野菜の販売は定期直送宅配のみ(10種ほどの旬の野菜がセットになった野菜BOX)。数量限定発売で、オーガニックカフェなどでも愛用されている
この農家の野菜は定期直送宅配のみ。定期的にオープンデイを設けて、お客さんが農業体験ができたり、野菜料理を食べたり、お2人と交流できるようにしています。
この仕組みがあるため、お2人は食べる人の顔を想像しながら野菜をつくり、発送することができて、それがまた幸せにつながっているのだそう。
興味深いなと思ったのは、こういった農業体験は「田植え」とか「収穫」とか、農業の節目の部分を体験することが多いと思うのですが、こちらでは定植や草取りなどの地味な作業も体験してもらうそうです。これはまさに「ウソがない」にこだわる2人らしいなと感心しました。
正反対でも、夫婦関係を支えている大事な部分
お2人はしゃべりのテンポがかなり違います。ガンガンしゃべるまぶさんに対し、のんさんはほんわりのんびり。キャラクターは正反対ですが、生活の根本に求めるものが一致しているのが、夫婦関係を支えている大事な部分なんだろうなと思ったりしました。
ところで、のんさんいわく「今はいい夫婦関係が築けています。でもここまでくるのに10年かかった」だそう。次回は、この平和な今に至るまでの、夫婦のすれ違いや夫婦関係構築の歴史を紹介します。
この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
(ハラユキ : イラストレーター、コミックエッセイスト)