札幌記念に出走予定のプログノーシス(撮影:高橋正和)

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 夏のローカル開催で行われる唯一のGII。海外や秋のGI戦線を見据える一線級が複数頭参戦してくるのが通例で、サマーシリーズの他のレースとは一線を画す。

1.スピードが要求される

 14年はゴールドシップが桜花賞馬ハープスターに敗れ、18年はダービー馬マカヒキがマイル以下の重賞を2勝していたサングレーザーに先着を許した。さらに、20年はマイル路線で活躍していたノームコアが、当時中距離GIを2勝していたラッキーライラックを降して優勝。一昨年は桜花賞馬ソダシがオークス馬ラヴズオンリーユーを抑えて優勝した。昨年に関しては中距離馬のジャックドールが勝ち切ったが、例年の傾向からすればスピードのあるマイラーが台頭してきやすい。

2.前走GI組を信頼

 函館開催だった13年を除く過去9回で、前走がGIだった馬は[5-6-6-21]で複勝率44.7%と圧倒的な成績を残している。対して、前走がGIIだった馬は複勝率22.2%、前走がGIIIだった馬は複勝率11.3%。

3.ディープ以外の父サンデー系は苦戦

 札幌コースは意外にもステイゴールド産駒がJRA10場の中で唯一重賞を勝てていないコースだが、このレースに関しても[0-1-1-10]と苦戦傾向。他のいわゆる"サンデー系"の馬でも、ディープインパクト産駒を除けば苦戦しており、ディープ産駒以外のサンデー系は過去9回で1~3着がそれぞれ1頭ずつしか出ていない。なお、ディープインパクト産駒に関しては別格なのか理由は不明だが、[3-3-1-13]で複勝率35.0%と優秀。

 プログノーシスはここまで中距離がメインだが、過去にはレコード決着だった21年の毎日杯で3着、次走のマイルで1分32秒台をマークするなど確かなスピード能力を持っている。その毎日杯を勝ったのは今回顔を合わせるシャフリヤールだが、近走の勢いからして逆転まで十分あると見る。