リオンディーズ産駒に注目(c)netkeiba.com

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【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【ダンシングブレーヴ】

 凱旋門賞をレコード勝ちするなど、現役当時から傑出した名馬と評価され、「ワールドベストレースホースランキング(当時はインターナショナルクラシフィケーション)」では、歴代3位の138ポンドを獲得しています。1980年代の世界最強馬、といっていいでしょう。

 種付けを始めた年にマリー病という不治の病にかかり、なおかつ1、2年目の産駒の競走成績が期待外れだったこともあり、イギリスで5年間供用されたあと日本へ輸出されました。3年目の産駒がそれまでとは見違えるように大活躍し、日本に移動したあともテイエムオーシャン、キングヘイロー、キョウエイマーチ、エリモシックといった大物を出しています。

 産駒はやや不器用なところが見られましたが、底力があり、スピードや瞬発力を伝えます。ディープインパクトの母の父アルザオは、ダンシングブレーヴと血統構成が酷似しているため、両者はニックスの関係にあります。

 父系は伸びなかったものの、オアシスドリームの母の父、ドバウィやキングマンの2代母の父など、現代の重要種牡馬たちの構成要素となっており、血の優秀さを証明しています。日本でも牡馬の代表産駒キングヘイローがブルードメアサイアー(母の父)として大ブレイクし、イクイノックス、ディープボンド、ピクシーナイトをはじめ多くの重賞勝ち馬を誕生させています。

◆血統に関する疑問にズバリ回答

「人気に推されて信頼できる種牡馬は?」

 プレッシャーに強い人、弱い人がいるように、人気に強い種牡馬、弱い種牡馬がいます。馬は人気を認識することがないので、近走の成績がアテになる種牡馬、アテにならない種牡馬、といったほうがいいかもしれません。原因不明の凡走を繰り返すような種牡馬は、人気に推されても買いづらいものです。

 2013年以降、平地競走で1番人気に推された馬の成績を調べると、平均連対率は51.1%です。それより上であれば信頼性が高く、下であれば信頼性が低いということになります。

 産駒が1番人気で100走以上した種牡馬に絞ってこの数値を出してみると、現役種牡馬のベスト5は以下のとおり。

 1位 リオンディーズ    60.5%
 2位 シニスターミニスター 59.7%
 3位 ゴールドシップ    56.3%
 4位 キズナ        55.4%
 5位 ヘニーヒューズ    54.3%

 唯一60%を超えてきたリオンディーズは、芝・ダートを問わず好成績です。とくに芝1800mの成績が優れています。2位シニスターミニスターは、連対率ではわずかに及びませんでしたが、勝率は40.7%でトップ。鬼門の東京ダート1600mを除いてダートであればまんべんなく好成績を挙げています。

 逆に、ディープブリランテ、エイシンフラッシュ、エスポワールシチーなどは1番人気の成績が不振。◎が並んでいる産駒がいたとしても買いづらいタイプです。