リフォームしたあとで、後悔することが意外に多いのがコンセント。位置が微妙だったり、数がたりなかったりするとストレスがたまります。3年前に築20年の中古マンションを購入した日刊住まいライターもそのひとり。リフォーム工事で変更可能だったのに、とくに要望しなかったため、後悔している場所があちこちに。それを解消しようとコンセント移設の工事を検討したら、思った以上に高額の見積もりが!

住み始めるとコンセントの位置と数でストレス

筆者は夫と2歳児の息子と3人暮らし。3年前に築20年になる2LDKのマンションを購入しました。

購入したマンションは、リフォームずみの状態で販売予定だったもの。リフォーム作業前に見つけることができたので、内装や軽微な変更は可能な物件でした。

 

そのような物件だったので、お気に入りのアクセントクロスを採用することができました。しかし、コンセントのことまでは、頭が回らなかったのです。

住み始めるとコンセントの位置が使いにくかったり、たりなかったりしてストレスの連続! さらに、コンセントの位置を変更するだけの工事見積にびっくりさせられることに。入居前に依頼しておけばよかったと後悔しています。

その場所を、具体的に紹介しましょう。

 

テーブル横のコンセントは使う場所の高さだとよかった

毎日の生活でストレスを感じている原因のひとつが、ダイニングテーブル横のコンセントです。

わが家のダイニングテーブルは、筆者の在宅勤務時の作業場所にもなっています。ですからテーブル横のコンセントは、ホットプレートといった調理家電で使うだけでなく、スマホやパソコンの充電にも使用。コンセントの抜き差しの頻度が多いものが、よく登場します。

しかし、その位置が微妙なのです。壁の床付近にあるため、テーブルからコンセントまでの配線がだらりと不格好。毎回かがんで抜き差しをするのも面倒です。

抜き差しが多いコンセントは最短距離の場所にあったら、こんなストレスはなかったはず。

リフォーム前の物件だったので、コンセントの位置くらいは、要望することはできたのに…。今の暮らしのイメージができていれば、テーブルの高さに合わせた位置に、コンセントを設置できただろうと後悔しています。

一般的には、そうした場所につけると悪目立ちするので、施主の要望がない限りつけることはありません。しかし、よく抜き差しする場所のコンセントは、使いやすい場所にあって欲しいもの。

たとえばおしゃれなコンセントプレートを使えば、見た目の問題もそれほど気にならなかったと思っています。

 

キッチン回りのコンセントが少なすぎた

コンセント関連でいちばん後悔しているのはキッチンです。キッチン背面は写真のような家具の配置になっています。しかし、コンセントは冷蔵庫背面と、電子レンジ背面にあるのみ。

冷蔵庫・電子レンジ・トースター・炊飯器で、で使いきってしまいます。右半分にはコンセントがなく、電気ケトルや炭酸水メーカーといったキッチン家電は、リビングに設置せざるを得ませんでした。

 

住んで意外と便利だと思った場所も

ここにコンセントがあるのは便利だなと思う場所もありました。

それは上がり框(かまち)の横のコンセント(写真)です。ちなみに玄関から廊下には、コンセントが2か所ありました。この上がり框横と、リビングへつながる扉の手前の場所です。

入居当初は、多すぎると思いました。とくに扉付近のコンセントは、扉をあけると完全に隠れてしまう位置。

しかし、この上がり框横のコンセントは、予想外の大活躍。電動アシスト自転車やランタンなどの外で使用する機器の充電や、掃除機の充電に使用しています。

掃除機はもともとリビングを定位置にする予定でしたが、2歳の息子がすぐに触って倒してしまうため移動することに。普段息子の手が届かない玄関回りのコンセントは、意外と多い、充電機器の充電穴場スポットとして予想以上に便利でした。

コンセントの移設で10万円。住んでからの工事は大変!

住み始めしばらくの間、コンセントにまつわる不便をガマンしていました。しかし毎日使うキッチン家電は、やはりキッチンに置きたい…。そう思いコンセントの移設を検討しました。

 

コンセントを新設したい壁の向こうには、「リビング出入り口の扉をあけると完全に隠れてしまうコンセント」があるので、それを移設できないかと思ったのです。

それができれば、簡易的な電気工事ですむはずです。しかし現実は甘くありませんでした。相談したリフォーム業者からは、以下の理由から、かなり大ごとの工事になるとの回答が。

・キッチンのコンセントには専用回線が必要になる
・そのためには壁や天井に、穴をあける木工事が発生
・その際、壁紙をはがすため、内装工事も必要になる

壁の裏でちょこっとコンセントの位置だけ動かそう、とはいかないというわけです。

電気工事・木工事・内装工事は、それぞれの作業をする職人さんが異なります。そのため、時間も作業費もしっかりとかかるという言い分。このときに出てきた見積りは10万円近い金額でした。

 

金額や作業の煩雑さを考え工事は断念

じつはこの家に住み始めてから、コンセント新設の工事を行ったことがあります。

理由は施工ミス。新たに設置された食洗機のための電源が設置されておらず、在宅での工事となりました(もちろん費用は業者負担です)。

今回想定される工事と同じように、玄関にある分電盤から専用回線をキッチンまで引っ張る電気工事のほか、天井に穴をあけふさぐといった木工事、その後に作業した場所の壁紙張り替えの内装工事が発生しました。

工事は1日で終了。しかし、1日じゅう職人さんが家を出入りします。キズがついたり汚れたりしないよう、床や置いた家具の養生もしての工事になりました。

作業中は騒音がひどく、ホコリが飛び散る…という状況。その経験が脳裏をよぎり、今回は工事を断念しました。金額や作業の煩雑さを考えると、現時点で感じている不便さは、ガマンしようということにしたのです。

コンセントの新設・移設は、住み始めてから行うとなると、費用も労力も大変なものになります。リフォームや家づくりを検討している方は、ぜひこの記事をご参考に。