大人デートにぴったりな人気店5選！下北沢の住宅地に潜む上質な店

2023年8月3日 5時5分

駅前の賑わいから“若者の街”というイメージが先行しがちだが、下北沢はれっきとした“世田谷”。

その周辺には高級住宅街があり、舌の肥えた大人の支持を集める、上質な店が潜んでいるのだ。

そんな、大人が満足できる“世田谷らしい”お店をピックアップ！ゆったりとデートを愉しむのに最適な5軒をご紹介しよう。

1．日常に溶け込む住宅街の“止まり木”でワンランク上のビストロ料理に憩う
『トネリコ』

池ノ上駅から歩くこと3分。店は商店街が途切れはじめ、住宅街に差し掛かる一角に。店名の由来となったトネリコの木が、入口脇の鉢に植えられている

“トネリコ”とは日本原産の落葉樹。店の内装にも木を多用しており、ほっこりしたムードに和む。

店内は小ぢんまりとしつつも、高い天井と窓を開け放ったオープンエアな空間で開放感にあふれている

命名の理由を「柔らかい音の響きが、いつでも気軽に入れる店にふさわしかった」とシェフの加藤大さん。

物腰も柔らかいが、実はあの『NARISAWA』など、フレンチの名店で古典からイノベーティブまでを学んだ華麗な経歴の持ち主。

赤ワインソースのハンバーグや生地から作るトマトパイなど、素養を生かした定番を多く用意するが、細部にまで気を遣い、さらなる高みを目指している。

例えばハンバーグの肉ダネは、牛豚に鶏も合わせてエアリーな食感に。パイも絶妙の薄さでスライスし、わずかに火入れしたトマトが美味しさの要で、仕上がりに唸る。

しかし“名店出身”の気負いは一切なく「ビストロですが、いろいろやりたい」とほほ笑む。

名店で培った技が炸裂するハイクオリティな料理に“ビストロ以上”を実感

「トネリコのハンバーグver.2.0」1,980円。カシスソースでフレンチの華やかさを。

「トネリコ名物フルーツトマトのパイ」2個 990円。サクサク生地と柔らかいトマトの対比が絶妙。

「前菜の盛り合わせ」3,630円（2人前）。

レバーパテ、蒸し鶏のココナッツソースなど、計14品がひと皿に集結。

「日本人だからご飯ものも」と用意する「塩豚とズッキーニ、スナップエンドウの炊き込みご飯」2,530円

「普通の食材を丁寧に調理して、日常の美味を届けたい」

料理でも暮らしに寄り添おうとする、その優しさも地元で愛される所以だ。

■店舗概要
店名：トネリコ
住所：世田谷区代沢2-7-9
TEL：03-6453-2579
営業時間：【火～金】18:00～（L.O.21:30）
　　　　　【土・日・祝】ランチ 11:30～（L.O.14:30）
　　　　　　　　　　　　ディナー 18:00～（L.O.21:30）
定休日：月曜
席数：カウンター8席、テーブル12席

2．食べ慣れた男女は商店街の一角でまだ知らない“イタリアン”に出合う
『ぺぺロッソ』

池ノ上駅から徒歩1分の好立地。昼間から開放されている窓辺には、自家製パンやトマトソースなど、テイクアウト総菜が並ぶ

初めて訪れたなら、誰もが思わず「ここは日本？」と目を疑ってしまうのが『ペペロッソ』。

店内には陽気なイタリアのイメージそのままに「ベスパ」のバイクが飾られる他、外国人のスタッフやゲストも多く連日賑わいを見せている。

夜はテーブルの3分の2が外国人、という日も珍しくない

そんな空間で供されるのが「何百年もの時を経た郷土料理の普及が大義」と言い切る、シェフ・今井和正さんが繰り出すディープなイタリアンだ。

イタリア各州の、それもごく局地的にしか食べられていない料理にまで、深く食い込んでいくのが彼のスタイル。

毎年現地を訪れ、独自の嗅覚で探し出したマンマの味を、実直に再現し続けている。

本場でも滅多に味わえないイタリアンとの邂逅に会話が盛り上がるのは確実

コースのハイライトである名物の手打ちパスタ。

まるで餃子のような見た目の“チャルソンス”は、東北部の山岳地帯フリウリで食べられてきたもので、イタリア人でも知らない人が多いという。

「シナモンが薫るカルニア地方のラビオリ“チャルソンス”」。

パスタはジャガイモを塩茹でにして詰めたもの。甘じょっぱい味わいも印象的だ。

「カラブリア州の手打ちパスタ“フィレイヤ”」。

生ハムとスパイシーなンドゥイヤソースがモチモチのパスタに絡む。

「イシナギのマリネ」はヴェネト州の仕立てで。

マルケ風「“山森野豚”のレンガ焼き」は、最後に豚の焼き物の中で香り付け。料理はすべてコース（11,800円）より

未知なるイタリアンの味わいが詰まったコースに、舌が肥えた男女も驚嘆するはずだ。

■店舗概要
店名：ぺぺロッソ
住所：世田谷区代沢2-46-7 エクセル桃井 1F
TEL：03-6407-8998
営業時間：ランチ 12:00～16:00
　　　　　ディナー 18:00～（L.O.21:00）
定休日：月曜、月1回火曜
席数：テーブル24席

3．世田谷ローカルが集うイタリア食堂で上質な“アテ”をシェアするひととき
『Trattoria AMENO』

淡島通り沿いにひっそりと掲げられた、イタリア国旗と黒板メニューが店の目印。住宅街に溶け込む佇まいにも、店の雰囲気がにじむ

下北沢、池ノ上、三軒茶屋、どの駅からも徒歩15分以上。

ともするとハンディキャップとなる立地だが、オーナーシェフの田中裕之さんは「あえてそういう場所を選んだ」という。

それは、「ふたりでもゆったりテーブル席を使って、時間を気にせず寛いでディナーを楽しんでほしかった」から。

テーブル同士の距離感を広めに設けた居心地の良い店内

開店当初こそ集客に苦労したというが、季節の食材を使った素朴なイタリアンとアットホームな雰囲気に吸い寄せられるゲストが増え、今ではローカルにとっての食堂的存在に。

常連が9割というだけあり、勝手知ったる大人は気の向くまま、黒板メニューから好きなものをチョイス。それを、テーブルでシェアして楽しむのが常だ。

常時8種類を用意する手打ちパスタをはじめ「悩む時間を楽しんでほしいから、コースはやらない」と田中さん。

毎日食べても飽きがこない、シンプルで素朴な味わいにワインも進む

「仔牛のミラノ風カツレツ」（3,630円）や「マッシュポテトと卵のオーブン焼きサマートリュフ添え」（1,980円）など、基本的に各皿はシェアを前提とした大きめのポーションで提供される。

赤、白、泡をそろえるイタリアワインはグラス 880円～。

濃厚な旨みが凝縮した「生うにとカラスミのペペロンチーノ手打ちタリオリーニ」（2,750円）か、香り豊かな「まいたけとスモークチーズスモークベーコンのピッツァビアンカ」（1,760円）の〆も悩ましい！

〆は手打ちパスタかローマ風ピザで！

飲みたい派にガッツリ食べたい派、カップルも家族も全員が幸せになれる飾らないイタリアン。

近所でなくとも通いたくなる。

■店舗概要
店名：Trattoria AMENO
住所：世田谷区代沢4-34-16
TEL：03-5787-8803
営業時間：【火～金】ランチ 11:45～（L.O.13:30）
　　　　　　　　　　ディナー 17:30～（L.O.22:00）
　　　　　【土・日・祝】ランチ 11:45～（L.O.13:30）
　　　　　　　　　　　　ディナー 17:00～（L.O.22:00）
定休日：月曜（祝日の場合、翌火曜）
席数：テーブル22席

4．クラシックの真髄もアラカルトで嗜めるのが大人たる証左
『ぎんきょう』

東京大学駒場キャンパスに続く通り沿いに佇む。店名の“ぎんきょう”は、旧店の庭にあった樹齢150年を超える銀杏の木に由来

「料理はファッションと同じでトレンドがある。でも、自分は流行にとらわれない、ソースを大切にした伝統的なフランス料理を作り続けたいんです」

そう語るのは、オーナーシェフの沖江展さん。正統派フレンチの道を歩み続けて30年以上。

往年のグランメゾン『クレッセント』を経て独立、2017年までは、目白の一軒家フレンチ“ぎんきょう”でゲストをもてなしてきた。