ゲストが宿泊するための部屋を、1階リビングと離して新居の2階につくった日刊住まいライター。家事をする部屋としても使えるように、間取りと建具の選択に工夫をしています。その一方で、ゲストに泊まってもらったことで見えてきた問題点もチラホラ。夜の洗濯家事やドライヤーの利用がしにくいことにも気づきました。詳しく語ります。

家事にも活用できる来客用の部屋をプラン

わが家は、筆者と夫、そして小学生の息子2人(8歳、6歳)の4人家族。2年前ハウスメーカーで、2階建ての注文住宅を建てました。

間取りはこのようになっています。

1階:玄関、手洗い場、トイレ、LDK、趣味室(楽器演奏用)
2階:洗面所、浴室、トイレ、ランドリールーム、主寝室、ウォークインクローゼット、子ども部屋、来客室(※今回お話する部屋)

 

来客室は、2階の階段を上りきった先にあります(図面の洋室C)。広さは4.5畳、シングルの布団2枚が敷けるように、間取りを考えました。

普段ここは、隣のランドリールーム(図面のUT)で乾かしたシーツなどの大きな洗濯ものをたたむとき、また、布団カバーをつけるときなどに利用。

こうした自由に使える余白のような部屋があると、家事をするにはとても便利。来客室でありつつ、普段も活用できる部屋として、筆者はとても重宝しています。

 

客室の右にある黒のドアは、主寝室の出入り口です。つまり、客室は主寝室と隣合わせ。

そのため、音が直接伝わるのを防ぐ工夫を。2つの部屋を分け隔てる壁の一部を収納スペースにしてあります。

来客室内の黒い壁のように見える部分がそれ。来客用の寝具の収納に使っています。余談ですが、宙に浮いているような軽快なデザインにして、収納スペースをおしゃれにしてあります。

 

階段ホールと来客室を仕切るのは引き戸。あけ放せば、引き戸は壁に隠れてしまいます。普段全開にして、階段ホールの延長のように使っています。

 

2階に来客用の部屋をつくった理由

来客用の部屋を2階にしたのには、理由が2つありました。

1つめは、家族が使うパブリックなスペースを1階に広くとりたかったから。1階リビングの横に趣味室が欲しかったこともあり、客室をつくるスペースはありませんでした。

2つめは、泊まる方への配慮。

筆者はこれまで、リビングの隣に和室がある物件に住み、ゲストを和室に泊めたことがあります。その際に気になったのが音のこと。とくに夜。隣のリビングやキッチンで筆者たちが過ごしている物音が、ゲストの迷惑にならないか心配でした。

一方、ゲストの方も、気を使っていた模様。よく泊まっていた母も「自分の出す音が、リビングでまだ過ごす筆者たちに迷惑にならないか?」と思っていたそう。朝の日課のラジオは、イヤホンをしながら聞いていたと、のちに告げられました。

 

加えて、別の心配も。まだ幼い子どもが、なにかの拍子にリビング隣の客室の扉を突然あけてしまったら…。当然、ゲストはビックリしてしまいます。

これらの理由から、家族が集まるLDKから離れた場所の方が、家主も、泊まる方も、お互い気がラクかなと考えました。

実際にゲストに泊まってみてもらって、気づいたこと

というわけで、2階にでき上がった客室。じつは引っ越してから2年間、泊まり客が訪れることはありませんでした。新型コロナウイルスのためです。

しかしつい先日、初めて母が泊まりに来てくれました。いろいろ考えてつくったので、万全だと思っていた来客用の部屋なので、「快適だった」と言ってもらえたものの…。失敗したと感じたことも、いくつか見つかりました。

 

●ランドリールーム・洗面所が近いと気をつかう

いつものルーティンである、夜の洗濯乾燥ができないことに気づきました。もともと、ランドリールームと来客室は、動線をよくするためにつながっています。両室を仕切るのが引き戸くらいでは、防音性にはちょっと不安が。

わが家の洗濯機はドラム式。洗濯中はまだマシですが、乾燥時の音は大きいし、長時間かかります。

主寝室や子ども部屋では、隣接していないこともあって、これまで気になりませんでした。しかし、来客用の部屋だと迷惑になるかも、と心配に…。毎日する夜干し(洗濯乾燥モード)を、母の宿泊中はやめることにしました。

ランドリールームと来客の部屋が、せめて隣合わせでなければ、使えたかもしれません。

 

また、洗面所も近いので、ドライヤーの音にも気をつかいました。筆者が入浴を終えて髪を乾かす頃は、母はすでに寝ています。隣ではないものの、部屋の位置は近いので、音が心配でした(実際には全然眠れたそうですが)。

身内ではないゲストが泊まる際は、こうしたわが家のルーティンを見直さないといけないな、と実感。

 

●来客のためのコンセントは、不便な位置だった

つり収納の足元には、コンセントを設置しました。ゲストが寝る際、スマホなどを枕元で充電できるように、と考えてのこと(普段は、ロボット掃除機を充電するステーションとして利用)。

4.5畳の部屋では、布団を2枚敷くとあまりスペースが残りません。収納下も有効活用したつもりでした。

しかし、実際に母に使ってもらうと、「コンセントのところまで潜らないといけないから、逆に使いにくい」と言われました。筆者が試してみると、確かにそのとおり! 延長コードをつけておかないと、使いづらい。

コンセントの設置場所を、もっと手前にしておけばよかったと後悔。

 

幸い、出入り口付近の壁にもコンセントをつけています。実際母は、こちらを使っていました。音のことを気にして、寝る頭の向きをこちら側にしないつもりでしたが、「コンセントが使いやすい方がうれしい」とむしろ喜ばれることに。

 

気づきはほかにも。たとえば、普段置いていないゴミ箱や、ハンガー、濡れたもの(ペットボトルなど)を置けるお盆を、ゲストのために用意することです。

お盆については、母いわく「新居の床に、濡れたペットボトルを置いてシミにでもしたら、と心配になる。だから、ぜひ欲しい」とのこと。実際、冷たいペットボトルは自分の荷物の上に置いて、床が濡れないように母は気を使っていました。

また、窓のロックの解除の仕方や、ブラインドのあけ方なんかも、事前に伝えておかないと困らせちゃうのだな、とわかりました。家が違うと、確かにやり方が違います。

最初に泊まったのが身内だったので、そういった改善ポイントをストレートに聞けてよかった!

2階に来客室をつくったことには満足した筆者。しかし、わが家の間取りの条件では、いつものルーティンができない点があることが、今回よくわかりました。今後泊まるであろう友人のためにも、この教訓を生かすつもりです。