テレワーク需要のため、コンパクトな家でも書斎をつくる間取りが増えています。3年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、あえて寝室とは離れた2階の隅に、1.5畳の書斎をつくりました。テーブルや本棚はつくりつけに。アンティーク調のアクセントクロスを貼って、隠れ家のように落ちつける空間にしました。オンライン会議での使い勝手にも満足!

1.5畳という狭さが絶妙。落ち着いたアンティーク調の書斎

筆者は妻ともうすぐ2歳になる息子との3人暮らし。3年前にハウスメーカーで注文住宅を建てました。

家づくりでは、家族みんなが快適に過ごせる家を目指すことに。そのため筆者の夢であった「自分の書斎」を、最優先にするわけにはいきませんでした。

ということで、最終的に書斎に許されたスペースは、わずかに1.5畳。

実際に住むまでは「1.5畳じゃ、書斎として使えないかも…。物置と化さないだろうか」と心配でした。しかし、実際に使ってみると、予想外に居心地がよい! 今では書斎がないと困るほどです。

1.5畳という狭さなので、大きなものを置いたりはできません。しかし、テレワークや集中して作業するにはぴったり。落ち着いた空間になっています。

 

クロスや天井、床は茶色ベースにして、筆者の好みのアンティーク調にしたことも、落ち着いた雰囲気にひと役買っています。

書斎の雰囲気に合わせていろいろと雑貨を買いそろえるのも楽しいものです。

 

テーブルと本棚をつくりつけに。雰囲気が抜群に

そんなお気に入りの書斎には、つくりつけのテーブルと本棚があります。

つくりつけにしたのは理由が。狭い書斎にピッタリな家具を自分で探すのは、難しいだろうと思ったからです。また、自分のセンスで家具を買いそろえるよりも、ハウスメーカーにお任せした方が、よい具合に仕上げてくれるだろうと考えました。

結果的に、つくりつけにして正解だったと思います。

 

テーブルは書斎の横幅にあわせ幅170cmに。奥行きは60cmにしました。テーブルの高さは床から70cm。身長170ccmの筆者には、ちょうど使いやすい高さです。

 

本棚は、縦6マス横2マスに収納が分かれており、奥行きは28cmです。書籍も十分収まりますし、一段ごとの高さも自由に変えられて非常に便利。テーブルも本棚もサイズ、色合いともに部屋との一体感があります。

もし同様のサイズ、色合いのテーブル、本棚を探そうとしても、筆者には難しかったでしょう。なによりも、書斎への搬入も大変。つくりつけにしておいてよかったと思います。

 

寝室とはあえて離れた場所につくった書斎

こちらは、2階の平面図。筆者宅の書斎は、2階の北側のいちばん端にあります。寝室とは対角線上の位置。

筆者が家づくりの検討中によく目にした書斎の場所は、寝室の奥や階段下のスペース。また、スキップフロアの家だと、中2階の書斎も多く見かけました。

いずれの場所もメリットはあると思います。しかし、夫婦で使う寝室の奥であれば、夫婦の就寝のタイミングが違うと、書斎を使いにくいかもしれません。

スキップフロアなどの半オープンスペースだと、家族の生活音が気になってオンライン会議などはやりにくいでしょう。

その点、筆者宅のような間取りであれば、寝室やほかの部屋から離れた位置に書斎があるので、家族の生活リズムに大きく左右されずに利用できます。また、書斎が個室になっているので、オンライン会議もやりやすい環境です。

家のいちばん隅っこの奥まった場所というのも、個人的には隠れ家のようでお気に入りです。

コンセントの位置はテーブルの使い勝手を左右する

書斎にはコンセントをドア付近とテーブル下に1か所ずつ設置しました。この2か所のコンセントは、ちょうど書斎の対角線上にあって使いやすいです。

 

こちらはドア付近の壁につけたコンセント。もともと白色の普通のコンセントでした。しかし、アンティーク調のアクセントクロスとは合わないと感じ、自分好みのデザインのものをホームセンターで購入。住んでから自分で黒色のものに変更しました。

 

テーブルにはテーブル下のコンセントからケーブルなどを上に出せるように、配線孔を設けています。

フタをはめると開口部を目立たせずにケーブルを出せるので、見た目もすっきりします。

一方で、わざわざテーブル下にコンセントを設置せずに、テーブルの上の壁にコンセントを設置してもよかったかなと思うことも。

配線孔を経由しているので、延長コードを使う必要があります。また、ノートパソコンの電源をテーブル下のコンセントに直接差してしまっていると、電源ケーブルを持ち出す際にとても面倒。テーブル上にあれば、そうした問題が解消されていたはずです。

 

窓の位置に少し後悔、狭い場所だけに意外に大事

書斎には西側に窓を設けています。サイズは横幅40×高さ100cmの縦滑り出し窓です。外の空気を入れたくなったり、気分転換したくなったりしたときにあけることがあります。

ロールカーテンをつけているので、閉めるとまた違った雰囲気になります。

個人的には、「もう少し窓の場所を、ちゃんと考えておけば」という後悔があります。というのも、本棚があるせいで窓に手が届きにくいし、外の景色が見えにくいのです。

1.5畳という狭さに加え、落ち着いた色合いの空間にしたので、開放感はあまり得にくい空間です。そのため、実際に書斎を利用してみると、窓の存在が重要だと感じたのです。

座っていてすぐに手の届く場所や、目線の高さに窓を設置しておけばよかった!

以上、筆者宅の隅っこにある、1.5畳の小さな書斎についてご紹介しました。

寝室と離れた家の隅に個室として書斎をつくったことで、書斎が落ち着いた自分だけの空間になりました。オンライン会議などにも、映り込みや音を気にしないでいいので、使い勝手も上々です。