帰省シーズンの今、実家に手土産をもって訪問する人も多いのではないでしょうか? とくに親が高齢の場合は、お土産選びも気を利かせたいもの。整理収納アドバイザーでブロガーの原田さよさんに、コツを教えてもらいました。

高齢の親への手土産の選び方のポイント4つ

もうすぐやってくるお盆休みは、帰省する方も多いのではないでしょうか。高齢のお父さん、お母さんに、手土産を持って帰る方もいらっしゃるでしょう。そこで、私が気をつけている、高齢の親への手土産の選び方について紹介します。

中身もですが、私が今回いちばんお伝えしたいのは、その手土産のパッケージについてです。それもふまえて、高齢の親への手土産の選び方をまとめてみました。

●やわらかく飲み込みやすいものにする

高齢になるにつれ、むせたり飲み込みにくかったりすることが増えていきます。誤嚥は怖いので、やわらかく、飲み込みやすいものを選ぶようにしています。たとえば、プリンやアイスクリームや水ようかん、カステラやバウムクーヘンなどです。

実家の母は、若い頃から硬いおせんべいや歯ごたえのあるカリントウなどがが好きで、よくボリボリと食べていました。私が子どもたちを連れて実家へ帰るときは、これらをよく手土産にしたものですが、その頃の母はまだ若かったので大丈夫だったのでしょう。

今、80代後半になっている母には、昔のようなわけにはいきません。今も自分の歯で食べていますが、飲み込む力がやはり弱くなってきていますので、おせんべいなどを選ぶなら、サクサクと噛めてすぐ口の中で溶けるようなものにしています。

●一回で食べきれる個包装のものにする

今は個包装のお菓子が多いですが、その1個も、あまり大きいと1回で食べきれない場合も。おまんじゅうやようかんなど、ひと切れでも食べ応えのあるものの場合は、小さめのものを選ぶようになりました。

個数も多いと、親はしんどいかもしれません。だれかと分けられればいいですが、それ自体が億劫になってくるからです。私が自宅用に買ったお菓子の半分を、別の袋に詰め替えて母のところへ持って行ったこともありますが、そんなかたちの手土産でも喜んでくれました。

●賞味期限が長めのものにする

食欲はあっても一度にたくさん食べられなくなっていますので、個数が少なく、賞味期限がなるべく長いものを選ぶようにしています。

ただ、賞味期限が長いといっても、印刷してある日付の文字が小さいと見えにくいし、読めたとしても忘れるかもしれません。お菓子の袋の分かりやすい位置に「●月●日まで」と油性ペンで書いておいてあげるのもいいと思います。

●美しい缶や硬い箱に入っているようなものは避ける

お菓子が美しい缶やしっかりした箱などに入っていると、親は中身を食べきったあともなかなか捨てません。これは私自身にも言えることですが、「なにかに使えそう」と置いておきたくなるからです。もちろんその缶や箱を使うのならいいですが、母たちの世代はそういう缶や箱が、すでに押入れや納戸にたくさんたまっているものです。

大事にしてきた缶や箱を、高齢の親にどんどん捨てろというのは、なかなか難しい。せめてこれ以上は増えないようにと、私は手土産を選ぶとき、軽い紙の箱に入ったものか袋に入っているものを買うようになりました。

また、食べやすいプリンや水ようかんがおすすめと先に書きましたが、これも缶入りのプリンや水ようかんより、プラスチックのいれものに入っているものの方がいいかもしれません。自治体によっては、プラスチックゴミなら、燃えるゴミとして回収してもらえるからです。

●手土産は親とのコミュニケーション

お土産を買うときに捨てるときのことまで考えて渡すなんて、楽しくないかもしれません。でも、高齢の親にとっては、子どもからもらうものは包み紙やリボンにまで愛情を抱くこともあるので、たまっていく可能性はあります。これ以上ものが増えないようにすることや、捨てやすいパッケージのものを選ぶということも、考えてあげるといいのではないでしょうか。

また、お土産を何にするかと同じくらい大事なのが、そのお土産を挟んで親とちょっとした会話をすることだと思います。食べやすいこと、早めに食べきれること、捨てやすいパッケージのものにすること、これらを意識して選んでみてほしいです。

この夏、ちょうどいいものを手土産にして、思い出に残る楽しい会話ができますように。

 

原田さよさんの最新刊『50代はやめどき、捨てどき、楽しみどき』(扶桑社刊)が発売中。